評判のエックスサーバー(XServer)を評価してみた

WEBサーバーの設定では、エックスサーバー(xserver)独自のサーバーの仕様というものが、多少、あります。
（ファイアバード(firebird)よりも少ないです。）

ある程度サーバーに詳しい方には、このサーバーの仕様は、サーバーの設定をする上で、多少面倒に感じるかもしれませんが、それほど大袈裟なものでもありません。
対応の仕方によって、知識さえあればどうにでもできる内容です。

以下に気になる点について列挙しておきます。

• ドメインとサーバー内のディレクトリを自由に設定できない
  
  独自ドメインを設定すると、自動的にディレクトリが作成され割り当てられます。
  また、独自ドメインのサブドメインになると、独自ドメインのルートディレクトリに、サブドメイン名でディレクトリが作成され、そこが自動的に割り当てられます。
  
  
  例）ドメインの場合
  

  ドメイン名 :	example.com
  ディレクトリ名 :	/home/user-id/example.com/public_html/

  
  例）サブドメインの場合
  

  ドメイン名 :	sub1.example.com
  ディレクトリ名 :	/home/user-id/example.com/public_html/sub1/

  
  * user-id:エックスサーバー(xserver)のユーザID
  
  
  
• 無理にエックスサーバー(xserver)のDNSサーバーを使わなくても良い
  
  無理にエックスサーバー(xserver)のDNSサーバーを使わなくても、ウェブサーバーのマルチドメイン機能だけを使うこともできます。
  これは、DNSサーバーをエックスサーバー(xserver)のDNSサーバーに向けなくても、あるいはDNSサーバーにエックスサーバのレコード情報がなくてもウェブサイトは立ち上げられるということです。
  
  ロリポップ！(lolipop)では、DNSサーバーをロリポップ！(lolipop)のDNSに向けるか、DNSサーバーにロリポップ！(lolipop)のレンタルサーバーのレコードが正しく設定されていないとウェブサイトを立ち上げられなかったりします。
  エックスサーバー(xserver)では、そういうことはありません。
  ロリポップ！(lolipop)のようなことを他でも見かけますが、これは、サイトを意向したい場合、非常に面倒です。仮設のウェブサイトを立ち上げれらないですからね。
  DNSは、ドメインレジストラで管理し、そこで、エックスサーバー(xserver)のIPアドレスに向ければ、ウェブに関しては、自動的に切り替わります。
  もちろん、エックスサーバー(xserver)で独自ドメインを管理する方が、管理面では楽かもしれません。
  
  こういう設定ができるレンタルサーバーは、ウェブサーバーだけをエックスサーバー(xserver)で利用したい場合や、メールをGoogle Appsで管理するのも楽に行えます。
  
  もちろんメールもウェブサーバーも全部をエックスサーバー(xserver)で管理することもできます。ただ、DNSの細かいレコード設定などはやれないので、その点は注意が必要です。
  このあたりは、格安レンタルサーバーの特徴かもしれませんね。DNSの細かいレコード設定したければ、ドメインを移管しなさい・・・というパターンです。
  

MySQLは、共有レンタルサーバーでは一般的な外出しのMySQL専用サーバーを使います。（ウェブサーバーとMySQLサーバーは物理的に別のサーバーになります。）
外出しのMySQL専用サーバーはエックスサーバー(xserver)の１ユーザに対して１サーバーが割り当てられます。（固定で変更できません。このあたりはロリポップ！(lolipop)の方が、柔軟性がありますね。）
自分が利用したバージョンは、Server version: 5.0.77でした。
4.0系へ切り替えもできます。

また、データベースの利用可能な個数は、以下のとおりです。

レンタルサーバー	データベース数
エックスサーバー(xserver)(X10)	30
ロリポップ！(lolipop)チカッパプラン	30
ファイアバード(firebird)	10
さくらインターネット/スタンダード	20

この中ではエックスサーバー(xserver)がトップですかね。ロリポップ！も頑張っていますね。

また、データベースへアクセスできるユーザも複数作成することができます。この点は、ファイアバード(firebird)と同じです。

ただ、データベースとユーザを結びつける画面は、ファイアバード(firebird)と同じく、ちょっと、わかり難いかなぁと思います。
ただ、これも慣れでして、一度、設定すれば、なんとなくわかってくるとは思います。

データベースのスペックに関しては、 ロリポップ！(lolipop)チカッパプラン、 さくらインターネット/スタンダード の最近の機能アップのために、ほとんど差がなくなりました。以前は、かなり、差があってエックスサーバーの優位性があったんですけどね。

デフォルトのPHPのバージョンは、PHP Version 5.1.6でした。
エックスサーバー(xserver)では、PHPのバージョンを各ドメイン毎に選択することができます。
また、以下のように選択できるPHPのバージョンも豊富です。

• PHP4 (4.3.9) (非推奨)
• PHP5.1(5.1.6)
• PHP5.2(5.2.17)
• PHP5.3(5.3.3)(推奨)
• PHP5.4(5.4.13)
• PHP5.5(5.5.0)

ここでは、一番無難な5.2系を使いました。(Joomla!を使う場合は、5.2以上である必要があります。)

また、GDも入ってますから画像系も動きます。

ただ１点だけ、デフォルトの設定が、マルチバイト文字列にEUC日本語となっているので、その点は、ちょっと注意しておいた方が良いかもしれませんね。
一応、Wordpress,Joomla!をインストールしたときのphp.iniの設定イメージを以下に記載しておきます。
詳しくは、 評判のエックスサーバー(XServer)に WordPressをインストールしてみた の次に、PHPを設定する を参照してください。

サポートは、ロリポップ！(lolipop)やファイアバード(firebird)と同じくメールのみの対応となります。
それなりに早めに対応してくれますし、それなりの反応もあります。この点は、ロリポップ！(lolipop)やファイアバード(firebird)と同様、初級者にはありがたいですね。

ただ、技術力からすると、これもロリポップ！(lolipop)やファイアバード(firebird)と同様にさくらインターネット には、及ばない感じはします。

でも、まあまあ、こんなものじゃないかなと思います。
もっとひどいところはありますからね。

基本的にメールだけのサポートですから、うまく伝えるのができないこともあります。
ただ、電話サポートを売りにしているレンタルサーバーでも、電話がつながらないことが多いですから、無理に電話サポートがあるところを選ぶよりも、ちゃんと早めにリアクションしてくれる方がましかもしれませんね。

総合的にサポートは、暫定ながら合格点だと思います。満足度は、人それぞれの満足するポイントが違うので、ここでは、評価しません。

ここまで、エックスサーバー(xserver)をいろいろ使ってみました。
ファイアバード(firebird)に比べると、わかりやすいシンプルな設定画面とあまりくどくないサーバーの仕様は、ポイントかもしれませんね。
技術力からすると、さくらインターネット には、及ばない感じはするものの、まあまあ、こんなものではないかと思います。

サーバーの仕様と言われる制約もありますから、 さくらインターネット やコアサーバー(coreserver)などの自由なレンタルサーバーから移ると、 ここは、窮屈な感じがすると思います。
ただ、ファイアバード(firebird)などのSSH機能のないレンタルサーバーを利用したことがある方には、あまり違和感なく使えると思います。

基本的には、サーバー仕様、設定ページなどは、ファイアバード(firebird) にそっくりです。
設定のページに関して言えば、エックスサーバー(xserver)の方がより親切な感じがします。設定のページの中にちょっとしたコメントもありますし、ヘルプがファイアバード(firebird)と比べるとわかりやすい感じを受けました。

しかし、コストパフォーマンス（価格・収容人数）は、ファイアバード(firebird) に圧倒的に分があります。かなりの割安感はあると思います。

OSは、RED HAT系のLinuxです。
このサーバーは、仮想化などはしてません。単純にユーザによって制限、制御している感じです。

はじめてのレンタルサーバーなら、十分な機能だと思いますね。
安定性・耐久性など、連続で使ってみないとわからないところもありますが、主要なCMSが簡単にインストールできるのは、やっぱり、初級者にはありがたいですよね。

中上級者の方には、いろんな意味でちょっとストレスがたまるかもしれませんね。
負荷の高いレンタルサーバーに当たったらサーバーを変更してもらえる機能もありますが、 あくまで、エックスサーバー(xserver)の管理会社にて負荷が高いと認識されなければ変更してもらえないというのも中上級者の方には、ストレスになるかもしれません。

使い勝手からすると、初級者向けなのかなぁという感じがします。
操作性もそのあたりを意識しているような感じもします。

今回、いろいろと試した中で、エックスサーバー(xserver)の売りである速さが顕著に表れることがなかったのは残念です。
ただ、あくまで限定的な操作・確認しかやっていないので、高負荷状態時などいろんな条件で試すと、違った結果になったのかもしれません。

いずれにしても、初級者にはやさしいレンタルサーバーであることには変わりません。

以下は、個人的な勝手な評価です。ご参考程度にお願いします。