レンタルサーバー(プラン)の移転(変更)の仕方
サーバーの移転で、やらなければならない作業は、以下の4点です。
- データベースの移転
- ホームページの移転(php,perlなどのCGI/スクリプトを含む)
- メールの移転
- ドメインの移転
では、早速、その手順を簡単に説明します。
データベースの移転
データベースの移転は、移転元のデータベースでバックアップファイルを作成し、移転先でバックアップファイルからリストア(復元)します。
※ここでは、mysqlに関して記載します。
- データベースのバックアップファイルを作成する。
- 移転元へSSHでログインする。
- mysqldumpコマンドでバックアップファイルを作成する。コマンドイメージは以下のとおりです。
> mysqldump --host=mysql.example1.com --user=account --password=dbpassword dbname > out_filename
|
* : mysql.example1.com は、移転元のmysqlサーバー名
* : account は、移転元のmysqlサーバー名へのアカウント名(ユーザ名)
* : dbpassword は、移転元のmysqlサーバー名へのパスワード
* : dbname は、移転元のmysqlサーバー名内で使用しているデータベース名
* : out_filename は、出力するファイル名
- 作成したファイルをgzで圧縮し、FTP/SFTP/FTPSなどでダウンロードします。
out_filename.gzの名前でファイルが圧縮されます。
※SSHでログインできない環境の場合は、phpAdminからバックアップしたいテーブルを選択してエクスポートしましょう。
- 作成したファイルをgzで圧縮し、FTP/SFTP/FTPSなどでダウンロードします。コマンドイメージは以下のとおりです。
> gzip out_filename
out_filename.gzの名前でファイルが圧縮されます。
- ダウンロードしたファイルを移転先へFTP/SFTP/FTPSなどでアップロードします。
- アップロードしたファイルをgzで解凍し、リストア(復元)します。
- 移転先へSSHでログインする。
- アップロードしたファイルをgzで解凍する。コマンドイメージは以下のとおりです。
out_filenameの名前でファイルが解凍されます。
- データベースのリストアを実施します。コマンドイメージは以下のとおりです。
> mysql --host=mysql.example2.com --user=account --password=dbpassword dbname < out_filename
|
* : mysql.example2.com は、移転先のmysqlサーバー名
* : account は、移転先のmysqlサーバー名へのアカウント名(ユーザ名)
* : dbpassword は、移転先のmysqlサーバー名へのパスワード
* : dbname は、移転先のmysqlサーバー名内で使用するデータベース名
* : out_filename は、リストラの元ファイル名
※SSHでログインできない環境の場合は、phpAdminからバックアップファイルを指定してインポートしましょう。
特にエラーが発生しなかったら、これでデータベースの移転は完了です。
ホームページの移転(php,perlなどのCGI/スクリプトを含む)
ホームページの移転は、ディレクトリを丸ごと圧縮し、圧縮したファイルを移転先へ転送、解凍し、復元します。
- 移転元でホームページのバックアップファイルを作成する。
- 移転元へSSHでログインする。
- tarコマンドでバックアップファイルを作成する。コマンドイメージは以下のとおりです。
> tar cvzf www.tar.gz ./www
|
* : www.tar.gz は、バックアップファイル名
* : ./www は、バックアップするディレクトリ名
- FTP/SFTP/FTPSなどでダウンロードします。
※SSHでログインできない環境の場合は、FTP/SFTP/FTPSで全ダウンロードしましょう。
- 移転先でホームページの復元する。
- FTP/SFTP/FTPSなどで移転先へ先にバックアップしたファイルをアップロードします。
- 移転先へSSHでログインする。
- tarコマンドで解凍・展開する。コマンドイメージは以下のとおりです。
* : www.tar.gz は、バックアップファイル名
※このとき、解凍したいディレクトリへカレントを移動してから実施します。
※SSHでログインできない環境の場合は、FTP/SFTP/FTPSで全アップロードしましょう。
- 移転先の環境に合わせる。
Wordpressであれば、wp-config.php のデータベースホスト名、ユーザ名、パスワードを変更し、保存します。
Joomla!であれば、configuration.php のデータベースホスト名、ユーザ名、パスワードを変更し、保存します。
次は、メールの移転とドメインの移転となります。メールは、メールアドレスの作成を行います。ただし、レンタルサーバーによっては、ドメインの移転を先に行わなければならない場合もありますので、順番は要確認です。
ここでは、メールアドレスの作成がいつでもできるものとして、メールの移転、ドメインの移転の順で解説します。
メールの移転
メールの移転は、移転元で使用していたメールアドレスを移転先に同じように作成します。
※作成方法は、各レンタルサーバーのコントロールパネル(画面)から可能なはずなので、すべてのメールアドレスを作成します。
ドメインの移転
ドメインの移転は、独自ドメインの管理ホストの切り替えを行います。
今まで、移転元に独自ドメインの転送先を指定していたと思います。それを移転先へ変更します。
- 移転先で独自ドメインのホームページディレクトリを設定します。
- 独自ドメインの管理DNSの設定を移転元ホストから移転先ホストへ変更します。
- 移転元で独自ドメインの設定をすべて削除します。
※ここで、先に移転元で独自ドメインの設定をすべて削除しないと移転先の設定が行えない場合もあります。
例えば、同じレンタルサーバーでプランを変更する場合などは、独自ドメインが同じレンタルサーバーで複数設定されないようになっているはずなので、エラーとなるはずです。
その場合、まずは、移転元を削除し、移転先を設定します。(この時、削除してから、設定できるまで数十分ほど時間がかかります。その間、ホームページへのアクセスができないことになります。)
最後のDNSの切り替えにも多少時間がかかります。その間、ホームページへのアクセスができないことになります。
メールは、その間に受信があった場合、破棄されずに遅延して(1時間後などに)移転先に受信します。
ざっと移転の時の作業を解説しました。これは大変!!と思われたかもしれませんが、手順を間違えずにしっかりとやれば、数時間の作業です。
ただ、エラーなどが発生し、時間を要することもあるかもしれませんので、時間に余裕を持たせて作業を行いましょう。
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