さくらのVPS と お名前.com VPS KVM を比較してみる
さくらのVPS と お名前.com レンタルサーバーVPS (KVM) と クラウドコア(CloudCore) VPS を比較してみた でも比較したように、さくらのVPS と お名前.com VPS KVM とは 非常に似たプラン構成になっています。
そっくりすぎていろんな意味で話題にもなりました。
[追記]
以前は、価格帯もそっくりでしたが、2014.11 さくらのVPSが全プラン リニューアル(実質値上げ)したことにより、価格については、開きが出たようにも見えますね。
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さくらのVPS、お名前.com VPS(KVM) 比較表(年払費用順)
順位 |
プラン |
CPU コア |
メモリ(GB) |
ディスク(GB) |
初期設定費(円) |
月額(最安)x12ヶ月(円) |
初年度合計(円) |
トップとの差(円) |
トップとの差月額換算(円) |
1 |
お名前.com 1G |
2 |
1 |
100 |
0 |
9,523 |
9,523 |
- |
- |
2 |
さくらのVPS 1G |
2 |
1 |
100 |
1,500 |
9,900 |
11,400 |
+ 1,877 |
+ 156 |
3 |
お名前.com 2G |
3 |
2 |
200 |
1,600 |
13,187 |
14,787 |
+ 5,264 |
+ 439 |
4 |
さくらのVPS 2G |
3 |
2 |
200 |
2,000 |
17,380 |
19,830 |
+ 10,307 |
+ 859 |
5 |
お名前.com 4G |
4 |
4 |
400 |
5,410 |
37,065 |
42,475 |
+ 32,952 |
+ 2,746 |
6 |
さくらのVPS 4G |
4 |
4 |
400 |
4,000 |
39,600 |
43,600 |
+ 34,077 |
+ 2,840 |
7 |
お名前.com 8G |
6 |
8 |
800 |
9,334 |
75,264 |
84,598 |
+ 75,075 |
+ 6,256 |
8 |
さくらのVPS 8G |
6 |
8 |
800 |
8,000 |
79,200 |
87,200 |
+ 77,677 |
+ 6,473 |
9 |
お名前.com 16G |
10 |
16 |
1000 |
15,886 |
151,665 |
167,551 |
+ 158,028 |
+ 13,169 |
10 |
さくらのVPS 16G |
8 |
16 |
1600 |
16,000 |
158,400 |
174,400 |
+ 164,877 |
+ 13,740 |
プラン内容からすると、さくらのVPS が優位な点は、以下のような点でしょう。
- 信頼性では、提供開始からのここ数年の実績があります。
と言っても、お名前.com VPS KVM が、KVMに関する実績がまるでないわけでもありません。買収で有名なGMOには 関連会社にVPSを得意とするレンタルサーバー会社がいくつもあります。
更に、ホームページでも記載のとおり、「GMOアプリクラウド」での実績からクラウドの実績は多いという面もあります。
もう、リリースから数年を経ますので、それなりに実績を積んでいますから、それほどの優位性があるとも思えないところがあります。
(そもそも上記の消し線部のように、関連会社での実績は、十分なものがありますから、実績がなかったわけでもありませんでした。)
逆に お名前.com VPS KVM が優位な点は、どんなところでしょう。
- スペック(CPUコア数、メモリ、ディスク容量)から見た価格では、さくらのVPS よりリーズナブルです。
プラン内容からは、上記の点がすぐにわかります。
つまり、以下のようなことが言えます。
コストパフォーマンス重視なら、お名前.com VPS KVM で
信頼性重視なら、さくらのVPS となります。
さて、ここで、ひとつの疑問がでてきます。
お名前.com VPS KVM が、さくらのVPS より 本当にコストパフォーマンスは良いのでしょうか?
公開されているスペック上では、確かに上回っています。
しかし、両社のサーバーが全く同じハードウェアということはありえないですから、同じスペックで同程度のパフォーマンスが引き出せるとは限りません。
そこで、以降に両社のサーバーのパフォーマンスがどれくらいなのかツールを使って確認してみました。
さくらのVPS と お名前.com VPS KVM とのパフォーマンスを比較
ここでは、さくらのVPS と お名前.com VPS KVM のパフォーマンスを比較してみます。
パフォーマンスを調べる上で、以下の2点について調べてみました。
UnixBechによる処理速度計測
CPUおよびディスク速度、メモリの読み書きなどのサーバーのハードスペックを評価(処理速度計測)するためにUnixBech(ツール)を使って評価してみました。
さくらのVPSとお名前.com VPS(KVM)とのUnixBench比較
チェック項目 | さくらのVPS(2G プラン) | お名前.com VPS(2G プラン) |
1CPU | 1,046.4 | 1,460.0 |
---|
3CPU | 2,716.0 | 2,961.9 |
面白い結果です。実際に何度も調べてみましたが、ほぼ上記のレベルと同じでした。
今回調べたときは、お名前.com VPS KVM においては、Virtioを使っていませんでした。
仮に、お名前.com VPS KVM で Virtioを使うと 更にパフォーマンスがあがりますから、もう少し差がはっきり出たでしょう。(さくらのVPS では、計測時、 Virtioを使っていたみたいです。)
結果の数値を評価するなら、極端な差はないものの、若干ながら お名前.com VPS KVM が上回っていると言えるでしょう。
(この結果は、最近(2014.11)の両者のUnixBenchの計測結果でも、それほどの差異はありませんでした。)
UnixBechは、
計測した値が大きければ大きいほどパフォーマンスが良いことになります。
virtioは、
準仮想化デバイスで、ゲストOS側がLinux 2.6.24以上であれば、この機能により、仮想ディスク読み書き速度を大きく向上させることができるとされています。
nuttcpによる伝送速度
サーバー間の伝送速度(バックボーン)を評価するためにnuttcp(ツール)を使って評価してみました。
評価したのは、以下の間の伝送速度になります。
で、同じさくらのVPS旧プランのサーバーからの伝送速度を計測してみました。
- さくらのVPS旧プラン ←→ さくらのVPS 間
- さくらのVPS旧プラン ←→ お名前.com VPS KVM 間
同じ さくらのVPS旧プラン のサーバーからの伝送速度を調べることで、両サーバーを比較、評価してみました。
さくらのVPSとお名前.com VPS(KVM)とのnuttcp伝送速度比較
チェック項目 | さくらのVPS(2G プラン) | お名前.com VPS(2G プラン) |
nuttcpの実測値 (下り) | 73.87 | 74.86 |
---|
nuttcpの実測値 (上り) | 73.27 | 74.34 |
これまた、面白い結果です。これも実際に何度も調べてみましたが、ほぼ上記のレベルと同じでした。
差は、かなり微妙な値ながら、お名前.comが上回っています。
これは、お名前.comが さくらインターネットのバックボーンより優れている証明にはなりませんが、
お名前.comのバックボーンがさくらインターネットのバックボーンにそれほど見劣るするものではないことの証明にはなりえると思います。
つまりは、この結果からすると伝送速度にそれほどの大差はない・・・ということです。
[追記]
この結果は、あくまで、さくらのVPS-お名前.com VPS(KVM)間の伝送速度であって、ユーザ ― サーバ間でないことに注意してください。
基本的にサーバー間では、太い回線が使われていることが多いですから、ここでの結果は、それほどの意味はないと思います。
総合的に さくらのVPS と お名前.com VPS KVM を評価してみる
ここまで、コストパフォーマンス、信頼性、伝送速度、処理速度などなど色々と調べてみました。
これらを総合して考えた結果、
CPUは速い、伝送速度も速い、価格も安い・・・なら、
結論、
お名前.com VPS KVM は、コストパフォーマンス的には間違いなくおすすめなプラン なので 個人的に使ってみよう
となったわけです。( 本当は さくらのVPS の 2G プラン が売り切れだったってことは内緒ですよ。 )
安くてパフォーマンスが良いのは大いに良いのですが、気になるには、やっぱりGMOという信頼性ですかね。
今のところ、これといって問題もないので、良いのでは・・・と思います。
ただ、まだ、慣れていない方は、契約するなら、まずは半年、一年程度の契約をおすすめします。
なにせ、途中解約の返金はありませんし、割引率も1年以上は変わりませんし、長くて1年ですよね。
いきなり2年、3年の契約は控えた方が良いかも・・・です。
参考までに、お名前.com VPS(KVM) もサポートの対応(メール)は、それなりに反応は早かったです。
ただ、技術的なサポートは、こちらの説明が悪かったのか、話がかみ合いませんでした。
KVMなので、それほど技術的なサポートは必要ないとは思いますが、技術的なサポートは 過度に期待しない方が良いでしょう。
今まで、あまり良くない評判が多い お名前.com レンタルサーバー ですが、今回の お名前.com レンタルサーバー VPS KVM に関しては、満足しています。
(今までの お名前.com レンタルサーバー 共有サーバー、VPS VZ とは別物と考えた方が間違いないです。)
契約して4ヶ月以上(2014.11現在は、約2年経過しました)になりますが、今のところ快適に利用させてもらっています。
サポートも、技術的な意思の疎通は、簡単ではありませんが、まあまあ誠意のある対応をしてもらっています。でも過度な期待はだめですよ。
とりあえず 4ヶ月以上 満足のいく結果も出ていますので、お名前.com さんへ 全面移行を考えています。
2012年当初、完全な移行を行い、2013年まで利用しました。そのあと、他社サーバーを転々とし、2014.11 またまた、お名前.com VPS(KVM)を借りています。
やっぱり、この安さに負けてしまいますね。
GMOさんとの付き合い方は、
多くを期待しないこと。
したたかにやること。
逃げ道を準備しておくこと。
余計なサービスに手を出さないこと。
ですよ。
問題があれば、3ヶ月で契約解除、さくらのVPS へ逃げましょう。 なんだか、悪口みたいになってしまいましたが、うまく付き合えば、かなり安く済ますことができます。
上手にお付き合いすることが大事だと思います。
さくらのVPS が、パーフェクトな対応をしてくれるわけでもありませんが、どちらかというと、レンタルサーバー、VPS初心者は、さくらのVPS が おすすめでしょう。
ちゃんと、途中解約の返金もありますし、サポートの対応も誠意を感じます。
やっぱり迷いますよね。
さくらのVPS は、常に進化をとげており、最新プランでは、SSD と HDD の選択ができるようになっています。
IPv6 の対応、ローカル接続の無料化など、魅力的なサービスも提供しています。
それに比べて、お名前.com VPS(KVM)は、進化が止まった感じでしょうか。
ただ、GMOでは、同じようなVPSをConoHa VPSでも提供しています。
こちらでは、IPv6 の対応、ローカル接続の無料化など、さくらのVPSと同等レベルのサービスも提供されており、
それぞれの立ち位置が、微妙に異なるので、そうなっているのかもしれませんね。
お名前.com VPS(KVM) のサービス進化はないものの、このコストパフォーマンスは、スゴイと思います。
さくらのVPSの全プランで、スペック的に負けないようにプランの更新を行ってきました。
ここにきて、さくらのVPSの全プラン リニューアルが、実質的な値上げになったこともあり、より お名前.com VPS(KVM) のコストパフォーマンスの良さが際立っていると思います。
結局、個人的には、サーバーを選ぶポイントは、
安さとサーバーのスピードでした。
サポートは、ほとんど必要なし・・・と考えたこともポイントの一つでした。
最近、さくらのVPSは、少し、方向性が狂いだしてきた?のかもしれませんね。
安さでなく、スピードでなく、サービスに重きを置きだした感じがします。
信頼性、サービスへの移行は、多かれ少なかれ企業が成長していくなかで必要なことですが、
価格とサーバーの質で勝負してきたさくらインターネットが大企業病に侵され始めたのかなぁと思わなくもないです。
色々試してみて、お名前.com VPS KVM へ移行したサイトに関しては、個人的な体感速度がアップしたように思います。
ただ 元の さくらのVPS との違いは、それほど極端な違いはないようです。
興味のある方は、以下からのどうぞ。いずれもお試し期間があります。
お名前.com VPSは、http://www.onamae-server.com/vps/ からどうぞ。
さくらのVPSは、http://vps.sakura.ad.jp/ からどうぞ。
また、同じGMOからリリースされているConoHa VPSは、http://www.conoha.jp/ からどうぞ。
追記(2013.8.28):
この記事を最初に投稿した当初からそうでしたが、現在でも、お名前.com VPS の VZ と KVM の区別もついていない記事に出合います。
基本的に、お名前.com VPS VZ は、非常に悪い評判が高いサーバーとして有名でして、その悪評が、かなり、KVM の評判を落としているみたいですね。
例えば、「お名前.com VPS(KVM)で、非常に困ったこと」でググってみると、同じ名前の記事にヒットします。
この記事、よーく読んでみればわかりますが、これは、KVM じゃなくって VZ の
困ったことでして、かなり、勘違いの部類の記事です。
そもそもお名前.com自体が、かなりぼったくり?的なドメインレジストラでした(今では、かなりリーズナブルですが、以前は、非常に高かったです。)から、その影響も大きいと思います。
今でも、GMO と聞くだけで、嫌な感じを覚える方も多いのではないかと思います。
そんな方は、無理して お名前.com VPS KVM を借りることも無いと思います。安いといっても、それほど大差があるわけでもありません。そう考えれば、選択肢は、他にもありますからね。
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