GMOクラウドpublic と さくらのクラウドを簡単に比較してみた

GMOクラウドPublic ALTUS（アルタス）Isolateシリーズ は、
言わずもがな、さくらのクラウドの、真っ向、対抗プランでしょう。（個人的な印象です。）
ここまで、GMOクラウドは、さくらインターネットに対してクラウドの分野では先行していました。

1. 2011/06/15 ～ 2011/12/14 [GMOクラウド] Zシリーズ リリース
2. 2011/12/15 ～ 2013/01/22 [GMOクラウド] パックシリーズ リリース
3. 2011/09/05 ～ [さくらインターネット] さくらのクラウドベータ版リリース
4. 2012/03 ～ [さくらインターネット] さくらのクラウド本格リリースしたものの、ディスク障害発生(課金停止、新規受付停止)
5. 2012/11 ～ [さくらインターネット] さくらのクラウド本格再リリース
6. 2013/01/23 ～ 2013/07/15 [GMOクラウド] スタンダードシリーズ バリューシリーズ カスタムシリーズ リリース
7. 2013/07/16 ～ [GMOクラウド] スタンダード → スタンダードSシリーズ リリース
8. 2014/03/25 ～ [GMOクラウド] GMOクラウドPublic ALTUS（アルタス）Isolateシリーズ リリース

ということで、さくらのクラウドへ人が流れ出した 2013/01 格安のバリューシリーズ という流れのようです。
さらに、流出止まらず、2014/03 には、ガチの対抗プラン（個人的に勝手に思っているだけです）のアルタスシリーズをリリースという流れじゃないかなぁと思います。

アルタスシリーズは、結構、考えられたプランだと思います。特徴として以下のようなものがあげられます。

• Apache CloudStackベース
  

  公式サイトには、世界標準なんて記述がありますが、要は、自前で作らない？というところだと思います。 カスタマイズ程度の開発は行うものの、メインフレームはApache CloudStackに合わせるので、他社で同じようにApache CloudStackに準拠したところなら、 APIを駆使して構築したネットワークをそのまま、ほぼ、そのまま流用できるというものです。
  
  これで、他社から呼び込みたい・・・というのもありますし、独自APIじゃないよ・・・さくらと違うよっていう感じです。
  
  

• 仮想化はXenベース
  

  公式サイトには、はっきり書いてない（見つけきれないだけかも）みたいですが、ISOからのインストール時の 「XenTools（xs-tools.iso）が必要・・・」なのは、Xenだからでしょう。
  
  これも、KVMにこだわるさくらと違うよっていう感じです。
  
  

• デフォルトでルータ付き
  

  最小構成は、サーバー＋ディスク＋ルーターになります。
  ディスク別売りになります。ルーターは、ロードバランサー付きなので、結局、割安な感じはします。
  
  初期導入では、ちょっと、割高なんだけど、案外、安上がりかも・・・というところです。
  初期導入は、確かにさくらのクラウドが安いです。が、中規模程度の構成なら、安上がりかもですね。
  
  

一応、以下にサーバーの価格をCPU、メモリスペックであわえて比較してみました。
同じスペックの対象となる さくらのクラウド が無い場合は、当たり前ですが何も比較してません。
（価格は、消費税抜きの表記です。）

ALTUS（アルタス）Isolateシリーズ は、必ず、以下のものが１つ以上必要です。(価格は税抜き価格)

• VM=仮想サーバー(1,000円/月～)
• VR=仮想ルーター(300円/月～)
• Root＝ルートディスク(HD:20GB 300円/月～)

上記の表は、さくらのクラウドを同じ条件にしたかったのでディスクの最低料金を含んだ価格になっています。 （ルーターは含まれていません。）
但し、IPアドレス１個は、ルーターに振られるので、ルーターが無いと何もできません。（最低限、動かすには、ルーターが必要です。）

さくらのクラウドでは、最小単位がサーバーのみになります。ディスクもSSD 20GBがデフォルトで付いています。IPアドレスもサーバー単位で１個付いてきますから、 その他、何もなくても さくらのVPS のように使うことができます。

最小単位からすれば、さくらのクラウドが安く見えています。
ただ、さくらのクラウドを、GMOクラウドPublicと同じようなルーター環境を設置するなら、以下のようなものが追加で必要となります。

• ルーター＋スイッチ(4,320円/月～)
• スイッチのみ(2,160円/月～)
• ロードバランサ(2,571円/月～)

LAN構築だけなら、スイッチでOKですし、ルーター機能が必要ならルーター＋スイッチが必要です。

これを考えると、GMOクラウドPublicが安く見えますね。
GMOクラウドPublicの仮想ルーターは、ロードバランサーが標準搭載されていて、分散化には、ラウンドロビン、リーストコネクション、ソースIPハッシングに対応しているので ネットワークを組むことを前提に考えれば、サーバーが２～１０台程度の中規模ネットワークを構成するには安上がりかもしれません。 ただ、サーバー価格をみるとGMOクラウドPublicが割高ですから、サーバーを４～７台借りてしまうと、さくらのクラウドでルーターが借りれます。 さらに、サーバーを６～１２台程度借りるなら、さくらのクラウドでルーター＋スイッチ＋ロードバランサが借りれます。 （サーバーにもよりますが、CPU:2corexMEMORY:2GBだとすれば、１台あたり900円の違いはあります。 もっと差があるスペックもあれば、差がないスペックもあります。概ね、メモリが増えると価格差が大きくなるようです。）

結局、ネットワークの規模によるんじゃないかと思います。 また、いずれは、自前で組んだAPIがらみのスクリプト？を使いまわしたいなら、GMOクラウドPublicも有りだと思います。 たぶん、サーバーの最新でしょうし、今は、ねらいどころなのかもしれません。

GMOクラウドPublic バリューシリーズ は、
さくらのクラウドがリリースされた直後にリリースされていますので、まあ、おそらくは、さくらのクラウドの価格面での、対抗プランだと思います。
先に書いたように、ここまで、GMOクラウドは、さくらインターネットに対してクラウドの分野では先行していました。
しかし、さくらのクラウドが格安でクラウドをリリースしたので、その価格に合わせた対抗プランが必要となった・・・という感じだと思います。

バリューシリーズは、特徴として以下のようなものがあげられます。

• オートスケールアップが使える
  

  メモリやCPUコア数などリソースを自動的アップさせることができる オートスケールアップ機能、 必要な時に仮想サーバー台数を増やし自動起動させるオートスケールアウト機能 のいずれも対応しています。
  Xenベースなら、いずれも再起動なしで、実現できます。
  
  

• 仮想化はXenベース
  

  スタンダードSシリーズからは、マルチでKVMとXenが使えます。バリューシリーズは、Xenのみ。
  
  

• ローカルネットワークは無料
  

  スイッチなどはなく、ローカルネットワークは無料に利用できます。全面 10Gbps 対応です。バリューシリーズは、一部 1Gbpsです。
  
  

• マルチロケーション
  

  GMOクラウド Publicは、日本、米国、マレーシアのデータセンターから選ぶことができます。
  今のところ、さくらのクラウドは、北海道だけです。
  
  

一応、以下にサーバーの価格をCPU、メモリスペックであわえて比較してみました。
さくらのクラウドは、ディスク容量が20GB固定なので、オプションで同レベルのディスク容量を付加しています。
（価格は、消費税抜きの表記です。）

これをみると確かに割安な感じがします。 これは、あくまでCPUやメモリ、ディスクのパフォーマンスが同等なら、この比較でOKです。 GMOクラウド Publicが、先行していた分、サーバースペックは古いかもしれませんね。

そう考えると、この価格をうのみにはできないかも？です。
ただ、安いです。VPSからスケールアップするには、程良い価格ですし、面白いと思います。

GMOクラウドPublic スタンダードSシリーズ は、
GMOクラウドPublic の中核を担ってきたプランです。このプランが、そもそものZシリーズですから、中心のプランだったことは間違いないでしょう。
2013/07には、再リリースでプランの見直し、サーバーの強化が行われたようです。 バリューシリーズとは完全にサーバーが違うので、このスペックが、おそらくは、さくらのクラウドと同等レベルなのかなぁと思います。

バリューシリーズと同じですが、スタンダードSシリーズの特徴を以下にあげておきます。

• オートスケールアップが使える
  

  メモリやCPUコア数などリソースを自動的アップさせることができる オートスケールアップ機能、 必要な時に仮想サーバー台数を増やし自動起動させるオートスケールアウト機能 のいずれも対応しています。
  Xenベースなら、いずれも再起動なしで、実現できます。
  
  

• 仮想化はXenベース
  

  スタンダードSシリーズからは、マルチでKVMとXenが使えます。バリューシリーズは、Xenのみ。
  
  

• ローカルネットワークは無料
  

  スイッチなどはなく、ローカルネットワークは無料に利用できます。全面 10Gbps 対応です。バリューシリーズは、一部 1Gbpsです。
  
  

• マルチロケーション
  

  GMOクラウド Publicは、日本、米国、マレーシアのデータセンターから選ぶことができます。
  今のところ、さくらのクラウドは、北海道だけです。
  
  

一応、以下にサーバーの価格をCPU、メモリスペックであわえて比較してみました。
さくらのクラウドは、ディスク容量が20GB固定なので、オプションで同レベルのディスク容量を付加しています。
（価格は、消費税抜きの表記です。）

これをみると、GMOクラウド Publicが少し割高な感じがします。
先にも書きましたが、バリューシリーズと違い、さくらのクラウドと同レベルのサーバーだとすれば、 ローカルネットワークは無料ですし、ロードバランサーもサーバーに作成するだけですから、安上がりです。

うまく使いこなせば、さくらのクラウドより面白いことができそうです。 ただ、ルーターやスイッチなどがないので、それなりに知識がないとパケットが垂れ流しになりそうです。

ただ、安いし色々と機器がないだけに融通も効くし、煩雑になりやすいというところだと思います。 VPSでネットワークを組んでいた方なら、スケールアップするには、程良い価格ですし、面白いと思います。