GMOクラウド VPS がリニューアルしたのでサーバーパフォーマンスを検証し、さくらのVPSと比較してみた。
2015年8月4日にGMOクラウド VPSがリニューアルしました。
今回は、新GMOクラウド VPS 1GBプランと さくらのVPS 1Gプラン についてサーバーパフォーマンスについて検証してみます。
では、早速、簡単ではありますが解説してみます。
一応、簡単に確認できるCPU情報については、下記のとおり出力しておきます。
このCPU情報は、ホストOS側で設定可能なので、信ぴょう性は定かではありませんが、周波数ぐらいは、実体とそれほど違わない値なのではと思います。
今回使用した GMOクラウド VPS、さくらのVPS 各プラン の CPU情報は、以下のように出力されました。
$ cat /proc/cpuinfo
processor : 0
vendor_id : GenuineIntel
cpu family : 6
model : 6
model name : QEMU Virtual CPU version 0.9.1
stepping : 3
cpu MHz : 2000.078
cache size : 32 KB
physical id : 0
siblings : 1
core id : 0
cpu cores : 1
apicid : 0
initial apicid : 0
fpu : yes
fpu_exception : yes
cpuid level : 4
wp : yes
flags : fpu de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 syscall nx lm rep_good nopl pni hypervisor
bogomips : 4000.15
clflush size : 64
cache_alignment : 64
address sizes : 40 bits physical, 48 bits virtual
power management:
....(同じものがあと1つ出力される)
$ cat /proc/cpuinfo
processor : 0
vendor_id : GenuineIntel
cpu family : 6
model : 42
model name : Intel Xeon E312xx (Sandy Bridge)
stepping : 1
cpu MHz : 2499.806
cache size : 4096 KB
physical id : 0
siblings : 2
core id : 0
cpu cores : 1
apicid : 0
initial apicid : 0
fpu : yes
fpu_exception : yes
cpuid level : 13
wp : yes
flags : fpu vme de pse tsc msr pae mce cx8 apic mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 ss ht syscall nx lm constant_tsc unfair_spinlock pni pclmulqdq ssse3 cx16 sse4_1 sse4_2 x2apic popcnt aes xsave avx hypervisor lahf_lm xsaveopt
bogomips : 4999.61
clflush size : 64
cache_alignment : 64
address sizes : 46 bits physical, 48 bits virtual
power management:
....(同じものがあと1つ出力される)
|
また、測定を実施したOSは、CentOS 7 x64 版を 使用しました。
bogomips の値からすれば、さくらのVPSが良さそうなのがわかります。
GMOクラウド VPS 1Gプラン のサーバーパフォーマンス
UnixBench 計測結果
GMOクラウド VPS および さくらのVPSは、それぞれ10回実施しています。あわせてさくらのVPSの旧プランの値も含めて比較してみました。(全てディスクはHDDです。)
以下は、その統計値とグラフです。
詳細表示切替
UnixBench
回数 | 旧さくらのVPS(HDD) #1CPU | 旧さくらのVPS(HDD) #2CPU | GMOクラウド VPS #1CPU | GMOクラウド VPS #2CPU | 新さくらのVPS(HDD) #1CPU | 新さくらのVPS(HDD) #2CPU |
---|
1 | 764.9 | 1769.2 | 564.3 | 600.0 | 1195.8 | 1290.9 |
---|
2 | 765.1 | 1717.0 | 828.0 | 1362.8 | 1126.3 | 1278.4 |
---|
3 | 772.7 | 1765.5 | 860.7 | 1355.5 | 1239.4 | 1869.4 |
---|
4 | 774.1 | 1835.6 | 860.0 | 1313.5 | 1244.5 | 1916.8 |
---|
5 | 763.0 | 1809.7 | 860.0 | 1298.4 | 1220.9 | 1973.4 |
---|
6 | 776.9 | 1791.0 | 858.3 | 1277.5 | 1209.9 | 1943.7 |
---|
7 | 776.4 | 1884.2 | 857.1 | 1329.0 | 1201.2 | 1883.1 |
---|
8 | 770.6 | 1818.7 | 845.3 | 1341.3 | 1235.8 | 1917.3 |
---|
9 | 774.2 | 1782.1 | 853.0 | 1333.1 | 1203.9 | 1935.5 |
---|
10 | 776.2 | 1785.4 | 857.2 | 1338.5 | 1266.7 | 1721.2 |
---|
|
最小値 | 763.0 | 1717.0 | 564.3 | 600.0 | 1126.3 | 1278.4 |
---|
最大値 | 776.9 | 1884.2 | 860.7 | 1362.8 | 1266.7 | 1973.4 |
---|
平均値 | 771.4 | 1795.8 | 824.4 | 1255.0 | 1214.4 | 1773.0 |
---|
中央値 | 773.4 | 1788.2 | 857.2 | 1331.0 | 1215.4 | 1899.9 |
---|
UnixBenchは、CPUのパフォーマンス、メモリ、ディスクなど総合的なサーバーとしてのパフォーマンスを推し量る数値です。
主にCPUのパフォーマンスの影響が大きいです。
UnixBenchの数値は、大きければパフォーマンスが良いことになります。
多少の乱高下がありますが、上のグラフから、明らかに さくらのVPSの方がパフォーマンスが良さそうです。
1コアでのスコアは、旧さくらのVPSとGMOクラウドが ほぼ同じ程度ですが、2コアでのスコアは、明らかにGMOクラウドの方が見劣りしますね。
旧さくらのVPSと新さくらのVPSでは、全体的なパフォーマンスを同等レベルにしているのが良くわかります。
それにしても、GMOクラウドの1コアはまだしも 2コアでのパフォーマンスは、ちょっと差がありますね。
GMOクラウド VPS 1Gプラン のディスクパフォーマンス
ランダムリード(読み込み) IOPS
GMOクラウド VPS および さくらのVPSは、それぞれ10回実施しています。
以下は、その統計値とグラフです。
詳細表示切替
IOPS(Read)
回数 | GMOクラウド VPS | さくらのVPS(HDD) |
---|
1 | 2718.0 | 11556.0 |
---|
2 | 2896.0 | 2589.0 |
---|
3 | 3079.0 | 2590.0 |
---|
4 | 3069.0 | 2540.0 |
---|
5 | 3409.0 | 2607.0 |
---|
6 | 3192.0 | 2562.0 |
---|
7 | 3230.0 | 2615.0 |
---|
8 | 3382.0 | 2639.0 |
---|
9 | 3038.0 | 2626.0 |
---|
10 | 3198.0 | 2608.0 |
---|
|
最小値 | 2718.0 | 2540.0 |
---|
最大値 | 3409.0 | 11556.0 |
---|
平均値 | 3121.1 | 3493.2 |
---|
中央値 | 3135.5 | 2607.5 |
---|
計測条件は、全て同じで fio コマンドによる計測です。さくらのVPSには、SSDを選択できますが、ここでは、全て HDDです。
iopsは、1秒間に読み込み・書き込みできる回数のことですから、値が大きいほどディスクパフォーマンスが良いことになります。
全体的には、 GMOクラウド VPSの方がパフォーマンスが良さそうです。
初回のさくらのVPSの異常なパフォーマンスがありますが、全体的にみれば、GMOクラウド VPSが安定して良いパフォーマンスを見せていると思います。
また、さくらのVPSの SSD は、さくらインターネットで開示されているデータの 10,000 回ですから、まあ、3,000回前後のパフォーマンスが出ていることは、良い方ではないかと思います。
ランダムリード(読み込み) レイテンシ
GMOクラウド VPS および さくらのVPSは、それぞれ10回実施しています。
以下は、その統計値とグラフです。
詳細表示切替
レイテンシ(Read)[msec]
回数 | GMOクラウド VPS | さくらのVPS(HDD) |
---|
1 | 11.8 | 2.8 |
---|
2 | 11.0 | 12.4 |
---|
3 | 10.4 | 12.3 |
---|
4 | 10.4 | 12.6 |
---|
5 | 9.4 | 12.3 |
---|
6 | 10.0 | 12.5 |
---|
7 | 9.9 | 12.2 |
---|
8 | 9.5 | 12.1 |
---|
9 | 10.5 | 12.2 |
---|
10 | 10.0 | 12.3 |
---|
|
最小値 | 9.4 | 2.8 |
---|
最大値 | 11.8 | 12.6 |
---|
平均値 | 10.3 | 11.4 |
---|
中央値 | 10.2 | 12.3 |
---|
計測条件は、全て同じで fio コマンドによる計測です。
レイテンシは、読み込み・書き込み要求からのレスポンス時間(秒数)ですから、値が小さいほどディスクパフォーマンスが良いことになります。
当たり前ですが、こちらも IOPS と同様、GMOクラウド VPSの方がパフォーマンスが良さそうです。
GMOクラウドは、全体的にパフォーマンスが良いもののばらつきもある感じですから、
ある意味で、早い者勝ち・使った者勝ちのような感じでもあります。
ランダムライト(書き込み) IOPS
GMOクラウド VPS および さくらのVPSは、それぞれ10回実施しています。
以下は、その統計値とグラフです。
詳細表示切替
IOPS(Write)
回数 | GMOクラウド VPS | さくらのVPS(HDD) |
---|
1 | 1296.0 | 2539.0 |
---|
2 | 1064.0 | 2613.0 |
---|
3 | 1322.0 | 2656.0 |
---|
4 | 1153.0 | 2677.0 |
---|
5 | 1303.0 | 2657.0 |
---|
6 | 1369.0 | 2658.0 |
---|
7 | 1290.0 | 2620.0 |
---|
8 | 1345.0 | 2595.0 |
---|
9 | 743.0 | 2542.0 |
---|
10 | 1167.0 | 2524.0 |
---|
|
最小値 | 743.0 | 2524.0 |
---|
最大値 | 1369.0 | 2677.0 |
---|
平均値 | 1205.2 | 2608.1 |
---|
中央値 | 1293.0 | 2616.5 |
---|
計測条件は、全て同じで fio コマンドによる計測です。
iopsは、1秒間に読み込み・書き込みできる回数のことですから、値が大きいほどディスクパフォーマンスが良いことになります。
おしなべて さくらのVPSの方がパフォーマンスが良さそうです。
GMOクラウド VPSは、さくらのVPSの約2倍程度の悪さとなっていて、これがUnixBenchでも足を引っ張っているのかなぁという感じもしますね。
ランダムライト(書き込み) レイテンシ
GMOクラウド VPS および さくらのVPSは、それぞれ10回実施しています。
以下は、その統計値とグラフです。
詳細表示切替
レイテンシ(Write)[msec]
回数 | GMOクラウド VPS | さくらのVPS(HDD) |
---|
1 | 24.7 | 12.6 |
---|
2 | 30.1 | 12.2 |
---|
3 | 24.2 | 12.0 |
---|
4 | 27.7 | 11.9 |
---|
5 | 24.6 | 12.0 |
---|
6 | 23.4 | 12.0 |
---|
7 | 24.8 | 12.2 |
---|
8 | 23.8 | 12.3 |
---|
9 | 43.0 | 12.6 |
---|
10 | 27.4 | 12.7 |
---|
|
最小値 | 23.4 | 11.9 |
---|
最大値 | 43.0 | 12.7 |
---|
平均値 | 27.4 | 12.3 |
---|
中央値 | 24.7 | 12.2 |
---|
計測条件は、全て同じで fio コマンドによる計測です。
レイテンシは、読み込み・書き込み要求からのレスポンス時間(秒数)ですから、値が小さいほどディスクパフォーマンスが良いことになります。
当たり前ですが、こちらも IOPS と同様、 さくらのVPSの方が良さそうです。
こちらも IOPS同様、ダブルスコアに近い結果となっています。
また、GMOクラウドでは、9回目に異常に悪い値が出ています。
このように、他のハードウェアを共有するユーザの影響を受けやすい設定になっているようです。
総評
やっぱり、GMOクラウドのパフォーマンスは、公開されているスペックをそのまま他社のVPSと比較できそうもありません。
もともとの旧GMOクラウドでもかなりのパフォーマンスが厳しいとされていましたが、今回のリニューアルでも、それほどの違いは無いようです。
GMOクラウド VPSの売りは、コストパフォーマンスであり、GMOクラウド Public への移行が可能な点だったと思いますが、
今となっては、さくらのVPSのコストパフォーマンスとそれほどの違いがないことと、さくらのクラウドへの移行も可能となったことから、
GMOクラウド VPSの良さが無くなりつつあります。
加えて上記のサーバーパフォーマンスですから、
やっぱり、さくらのVPSが良いのかなぁということになりますね。
さらにさらに、さくらのVPSではSSDの選択肢のありますから、なおさらのような気がします。
また、サーバーのパフォーマンスだけなら、同じGMO系のConoHa VPSやお名前.com VPSの方が、同じ仮想化 KVM を採用しているにも関わらず、かなり良いですから、
そちらの選択肢も有りだと思いますね。
どうでしょうか。
新GMOクラウド VPSは、さくらのVPSのプラン構成をまねたような感じは否めません。
もともとサーバー自体のパフォーマンスは、それほど良くないのは知られていましたが、それでもメモリ量を価格からすれば魅力のあるプランもありました。
しかし、今回のリニューアルで、ほぼ、その良さもなくなった感じもしますね。残念...
いずれにせよ、GMOクラウド VPS も さくらのVPS も 格安のVPSであることには違いありません。興味のある方は、お試し期間があるので、契約前に必ずチェックしてみましょう。
GMOクラウド VPS を試してみたい方は、http://vps.gmocloud.com/ からどうぞ。
さくらのVPS を試してみたい方は、http://vps.sakura.ad.jp/ からどうぞ。
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