さくらのクラウド 新プラン と さくらのVPSを比較してみた

このグラフからも さくらのVPS がリーズナブルなのが良くわかるかと思います。

コア数、メモリ数、ディスク容量順（順位：横軸）の順位に対して、価格がグッと下がっているのがよくわかりますね。

グラフ上のさくらのクラウドの各点は、きれいな比例の直線になっていません。

まあ、これは、当然なんですが、
きれいな比例になるためには、全てのスペックの組み合わせが必要ですし、 各メモリ、CPU、ディスクについて、統一的な価格構成になっていなければなりません。

少なくとも前者は、今回、プランが増えたと言えども、すべてのパターンが埋まったわけではありません。

なので、きれいな比例にはなりえません。

しかしながら、少々上下に極端に変動しているグラフ箇所について、少しだけ考察してみると、

これは、さくらのクラウド　プランの全面見直しで、CPUコア数とメモリを選択できるようになりました。 で紹介したように新プランでは、 CPUコア数に対して メモリ量の選択範囲が大きく広がりました。

コア数、メモリ数、ディスク容量順で並べると、必ずしも、CPUコアの価格への影響度が大きくないため、 CPUコア数が増えても メモリ量がグッと下がると、価格もグッと下がるようになってしまったためです。

この点は、
旧プランが、CPUコア数に見合ったメモリの設定を決めていたので、全体的には、コア数できれいな比例のグラフになっていたのに対し、

新プランでは、CPUコア数とメモリの組み合わせを ユーザがより自由に選択できるようになったことを、あらためて感じさせる結果だと思います。

これらを踏まえて、全体的なさくらのクラウドとさくらのVPSの違いを考えてみますと、以下のような感じだと思います。

さくらのクラウドのサーバースペックの特徴として、
CPUコア数やディスク容量に対して、メモリが比較的多めに設定されています。

さくらのVPSでは、
メモリに対して、コア数、ディスク容量が比較的多めに設定されています。

例えば、さくらのVPS 8Gプラン ( CPUコア数 6, メモリ(GB) 8 ) を見てみると、
対応する さくらのクラウド は、CPUコア数 6, メモリ(GB) 12 ～ 32 の選択範囲となっていて、

CPUコア数を基準に考えれば、さくらのVPS は、メモリが少な目のプラン構成になっていると思います。

単純に裏を返せば、
さくらのクラウドのプランは、メモリ以外の コア数でプランの差別化が図られているようなものです。

さくらのVPSのプランは、コア数、ディスク容量以外の メモリでプランの差別化が図られているようなものです。

さくらのクラウドが新プランになっても、圧倒的にさくらのVPSのコストパフォーマンスが良いのがわかりますね。

さくらのクラウド CPU:1コア/Memory:1GB (今回の新プランの最安プラン) でも、さくらのVPSの2Gプラン(CPU:3コア/Memory:2GB) の価格より高いですから、 やっぱり、スペックだけをみれば、高いですね。

用途が違うので、当然といえば当然なんですよね。

そもそも さくらのクラウドは、ライバルを Amazon EC2 としていて、 今回、さくらのクラウドのホームページに、さくらインターネットらしからぬ EC2との比較記事が掲載されています。(GMOさんがよくやる広告なんですが・・・。)

そのEC2からすれば、確かに安いんですよね。
しかし、機能的に、あるいはスケール的には、まだまだ、Amazon EC2に追いついていないと思います。

スナップショット系のサービス対応やリアルタイムなリソースの増減は、かなり、Amazon EC2では進んでいますが、さくらのクラウドでは、まだまだな感じです。

さくらのVPSでは、基本的に自分で勝手にネットワークを組んで、大きなシステムを構築することはできます。ローカル接続が無料で行える点も見逃せないところです。 （全プラン リニューアルにより東京リージョンのみとはなりましたが、リージョン（サーバーの設置データセンター）が同じVPS同士は、ローカル接続が可能です。）

さくらのクラウドは、当初からこれをウェブのブラウザで簡単にできるようになっていました。
さくらのクラウドの特徴は、これをAPIを使って遠隔操作ができる点です。 そのAPIでは、一時的な負荷に一時的に対応するためにサーバーを起こしたりすることも簡単にできます。

そのために初期設定費¥0 ですし、日割り料金があります。 さらには、ルーターやスイッチ ( 月額2,100 円から )を利用することができるようになっています。

さくらの専用サーバともローカルに接続できるようになっています。

北海道（石狩）データセンター内ではありますが、かなりのネットワークを構築できる環境になっています。

そう考えると、

さくらのクラウドは、中大規模なネットワークを利用した複数台でサイト運営などを手掛けるのに向いていて、

さくらのVPSは、単体あるいは小規模のネットワークを利用したサイト運営などを手掛けるのに向いていると言えると思います。

要は、１～数台で済むならさくらのVPS、
２台以上でロードバランサーやルーターなどを用いたサイトを構築するならさくらのクラウドが向いているということですね。

余談ながら、さくらのVPSから さくらのクラウドへの マイグレーション機能(移行機能)もあります。

これで、まずは、さくらのVPSで構築しておいて、人気が出たら さくらのクラウドへの 移行も視野に入れれるようになりました。