レンタルサーバーでフリー(無料)の意味?
レンタルサーバーにフリー(無料)がなぜあるのか、考えてみました。
そもそも、フリー(無料)のビジネスモデル(戦略)を考えた時、大きく以下の4つが考えられます。
そのビジネスモデル(戦略)に沿って、レンタルサーバーのフリー(無料)を考えてみます。
(ここでは、売り物を「商品」と総称します。細かく言うと、有形の商品だけでなく、サービスや情報なども含めて売り物すべてを含むものとします。)
直接的内部相互補助
有料の商品と無料の商品を組み合わせて提供するもので、「抱き合わせ」と表現する場合もあります。
最近では、禁止されましたが、
携帯電話機は無料、通話は有料
などの提供方法もこれに含まれます。
一定期間利用してもらうことで、通話料で、携帯電話機の料金を回収する仕組みです。
また、レンタルサーバーでは、
初期設定費+3ヶ月無料
などのキャンペーンなども、この方法に含まれます。
こちらも、先の携帯電話と同じく、一定期間利用してもらうことで、有料となった利用料金で、先の無料とした初期設定費+3ヶ月の利用料金分を回収する仕組みです。
レンタルサーバーは、それほど、頻繁に引っ越しされないことを見越したビジネスモデルではあります。
ただし、これは、中上級者には、通用しませんから、これらのキャンペーンを頻繁にやっているのは、初級者狙いなのが見え見えな感じもします。
三者間市場
商品の購入者からは料金は徴収せず、第三者の広告主の広告を掲載してその広告料を得るもので、「スポンサー」と表現する場合もあります。
言い換えれば、商品の料金を広告主が肩代わりするシステムです。
民放のテレビ、ラジオなどの提供方法もこれに含まれます。
また、インターネットにおける広告、アフィリエイトなどもこれに含まれるでしょう。
レンタルサーバーでは、
ブログサイトを無料で提供する代わりに広告を載せる アメブロ などは、この方法に含まれます。
広告収入にて、無料レンタルサーバーの価格も賄うわけですが、これだけでは、それほど楽なビジネスモデルではないのが現状だと思います。
その証拠に、そのようなレンタルサーバーは、存在しません。必ず、以降の「フリーミアム」と合わせたビジネスモデルでの展開になっています。先に書いたアメブロも例外ではありません。
フリーミアム
無料版と有料版(プレミアム・バージョン)の商品があり、有料版の顧客が支払う料金で、無料版のサービスを支えるもので、「割増料金」、「プレミアム」などと表現する場合もあります。
スカイプなどは、この提供方法に含まれます。
また、無料ソフトとして提供されているものにも、一部機能は、有料版でのみ提供しているようなものも、この提供方法に含まれるでしょう。
レンタルサーバーでは、
無料版では、機能の制約があるものの、有料版では、その機能の制約がなくなるものも、この方法に含まれます。
レンタルサーバーでの無料版のほとんどは、このフリーミアム と先の 三者間市場 を組み合わせたものが多いです。
アメブロは良い例です。
基本的に無料で、誰でもブログを開設できます。ただし、無料のままでは、広告が表示(三者間市場)されます。
その広告を非表示にするには、有料版を申し込む(フリーミアム)必要があります。
インターネットの世界では、かなり、浸透しているビジネスモデルの一つです。
非貨幣市場
文字通り、価格がない商品で、いわゆる「ボランティア」と表現する場合もあります。
ウィキペディアなどは、この提供方法の代表的な例だと思います。
レンタルサーバーでは、基本的にこの提供方法はないと思います。
例外的に、個人レベルで、友人、知人間で、無料提供しているようなものが、含まれるかもしれませんが、早々長くは続かないでしょう。
結局、誰かがフリー(無料)の代償を支払っている?
NPOなどの非営利団体が提供しているものであれば話は別ですが、一般的な営利団体が提供しているレンタルサーバーなら、
だれかが、その費用を負担する必要があります。
例えば、あなたが人気のブログサイトを、その無料レンタルサーバーで開設したなら、広告費用としてその対価を、あなたが本来支払うべき価格以上に支払っているのかもしれません。
また、不人気のブログサイトなら、誰か他の人気ブログサイトが、あなたの分を支払ってくれているのかもしれません。
本来の目的とその対価は?
今一度、考えてほしいのです。
一体、何のためにサイトを開設するのか?
少なくとも、誰にも見せたくない方が、サイトを開設することはないでしょう。
少なからず、誰かに見せたい、見てほしいからサイトを開設するのだと思います。
そうならば、ある程度の人気のサイトを目指すわけです。
その論理からすれば、もし、フリーのサーバーで それなりに目指す人気のサイトになったなら、
あなたは、あなたが本来支払うべきサーバーへの対価以上に広告費などの間接的なお金でサーバー管理会社へ支払っているのかもしれません。
アメブロなどのフリーブログの問題点は?
アメブロなどのフリー(無料)ブログは、他のレンタルサーバーへ引っ越しができないのが非常に問題です。
もし、アメブロなどの無料ブログを開設して、そこそこアクセスも増えたので別のレンタルサーバーへ引っ越そうかと思っても、
後の祭りで、ブログのシステムも違えば、サーバーを引っ越しすれば、URL(アドレス)も違います。
URL(アドレス)が違えば、Googleなどの検索システムは、同じページとは認識しません。
記事の著作権は個人にあるにしても、アドレスが違えば、インターネット上では、別物として扱われるわけで、
基本的に正しいと認識されるのは、最初に公開されたアドレスの記事であって、
引っ越し先で同じ記事を公開した場合は、その記事は偽物(コピー)と認識されます。(もちろん、これを回避する手段はあるにはありますが、アメブロのようなブログには回避策は適用できません。)
つまり、Googleなどの検索からのアクセスは、ほぼ0となり、最初からサイトを開設するのと同じことになります。
結局、無料レンタルサーバーってどうなの?
ここまで、読んでいただけた方は、もう、お分かりだと思います。
無料レンタルサーバーは、手を出さないことです。
とりあえず、お試しやお遊びで使うのは良いですが、
ちゃんとブログを公開したい、また、多少なりとも広告などで収益を上げたいと思うなら、
無料レンタルサーバーは、手を出さないことです。
ブログやサーバーに慣れるためなら、全然、問題ないでしょうが、そこで、本格的に記事を書いたりしないことです。
人気に記事を書いてしまっても、その記事は、結局、本当に自分のものにはなりませんし、捨てざるを得なくなるでしょう。
最近では、無料のレンタルサーバーも増えてきましたね。
確かに無料でとっかかりとしては、良いかもしれませんが、いずれ引っ越しが必要になることを考えれば、やっぱり、安くても有料のレンタルサーバーを借りてみるべきだと思います。
もちろん、その際は、独自ドメインでサイトを開設すべきです。
いきなり高価なレンタルサーバーを借りる必要もありません。
最初は、安くてある程度人気のレンタルサーバーを使ってみることをおすすめします。
有料版なら、サポートに問い合わせもできますから、色々とやりたいことを実現してみることをおすすめします。
この記事が、レンタルサーバー選びの参考になればうれしく思います。
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