本当に必要ですか?
自宅サーバー/自社サーバーをたてる前に考えることの第一歩は、間違いなく
「本当に必要ですか?」
の問いでしょう。
レンタルサーバーと自宅サーバーどっちがお得?か考えてみた でも示しいるように格安のVPSの月額利用料金以上にコストは掛かりますから、
間違いなくコストパフォーマンス的にはレンタルサーバーより悪いのです。
コストパフォーマンス的に悪いとわかっていながら自宅サーバー/自社サーバーを導入しようとするからには、この問いをしっかり考えることが大事だと思います。
多くの理由では、以下の2点が主な理由だと思います。
- 自由度が高く、自分の思うがままのシステムを構築できる。
- セキュリティー面でレンタルサーバーに情報を置くことに抵抗がある。
この2つの理由は、本当ですか?
今一度、考えてみましょう。
自由度が高く、自分の思うがままのシステムを構築できるって本当ですか?
自宅あるいは自社にサーバー、ネットワークがあるわけですから、いつでも自由に内部のサーバーを活用できます。
また、サーバーは、いつでもハードウェアのバージョンアップを行うことができます。
確かに自由ですし、この自由が欲しい方は多いのではないでしょうか。
ただ、コストにみあったパフォーマンスは、レンタルサーバー以上になりますか?
例えば、外向けのサーバー(インターネットに接続しているサーバー)をどのような手段でインターネット上に公開するかを考えてみましょう。
接続方法によって、応答レスポンスのパフォーマンスは、ほぼ決定します。
どんなに良いハードウェアのサーバーを用意しても、回線が細ければ、ページが表示されるまでの時間は、遅くなります。つまり、パフォーマンスは落ちるわけです。
- 自前の専用回線を使ってISPと接続する方法
これには、ISPからIPアドレスを付与してもらう方法と自前でIPアドレスを取得、付与する方法があります。
ただし、
後者では、JPNIC(日本社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)との直接契約を行う必要があり、
ISP業者でない限り、契約料(262,500円)、アドレス維持料(210,000円)などの価格にみあった成果が得られないことが多いでしょう。
そのため、ほとんどの場合は固定IPを付与してくれるISPと契約を結ぶことが多いと思います。
また、料金については、回線の速度によって価格は大きく変動するものの最低でも 数万円/月 のコストは、覚悟する必要があるでしょう。
- 光回線など格安で提供されている100Mbps ~ 1000Mbps(1Gbps) ベストエフォート方式による回線とISPから提供されるIPアドレスで接続する方法
これは、上記とは異なり回線速度の保障はされません。1つの回線を近所の方々と共有することになります。
共有するわけですがら、共有する回線にヘビーユーザが存在する場合は、ある程度アクセスが制約されることがあるでしょう
また、逆に自宅サーバー、自社サーバーとして立ち上げた場合は、自分自身が共有する回線のヘビーユーザとなる可能性もあります。
上記の専用回線と比較すれば、格段に安く利用することができます。
概ね 光回線の100Mbps ベストエフォート方式であれば、約5,000円/月前後 で利用できますからかなり割安に利用できます。
また、IPアドレスに関しては、ISPから提供される固定IPアドレスを利用します。
いずれもコストがかかります。
加えて、100Mbps のベストエフォート方式は、月額 1,000円 前後 の格安VPSの回線仕様と同じです。
最近では、1Gbps のベストエフォート方式も出てきています。共有レンタルサーバーでは、主流となっているのは、1Gbps のベストエフォート方式です。
もちろん、ダイナミックDNSなどの技術を使えば、固定IPでなく動的IPアドレスをそのまま用いて、サーバーをたてることもできます。
そうすれば、もっとコスト的には、落とすことができます。
しかし、動的IPアドレスの場合、スパムサイトと認識されることもありますから、法人などで利用する場合は、注意が必要でしょう。
お遊びで行う分は別として、ビジネスとして、あるいは、多少でもサイトで稼ごうと思う方なら、止めておくべきでしょう。
そんなリスクを追っても仕方がありません。
専念すべきは、サイトの中身であって、サイト構築の技術ではありませんからね。
話を戻すと、
ここで、最安値のパターン(光回線+ISP)で算出しても約5,000円/月~約6,000円/月前後 のコストは、サーバーをたててもたてなくても発生する固定費となります。
(最近の人気からすれば、auひかり + ASAHIネット あたりの組み合わせで安価に固定IPも取得できて高速という感じでしょうか。 )
サーバーを稼働すれば、今度は電気代がかかります。
これは、レンタルサーバーと自宅サーバーどっちがお得?か考えてみた でも示しいるように格安のVPSの月額利用料金以上にコストがかかることがわかっています。
もちろん、内部サーバーを増やせば、それだけ電気代もかかります。さらにハードウェアのメンテナンス費用もかかります。
コスト的には、全くみあわないのは、よくご理解いただけたのではないでしょうか。
また、先のコストにみあったパフォーマンスも然り(しかり)です。
月額 1,000円 前後 で 100Mbps のベストエフォート方式のサーバーは手に入るのでから、全く歯が立たないのがご理解いただけると思います。
一つの例として、回線について、解説してみました。
結局、自由を謳歌するには、非常に高いコストが求められるということです。
セキュリティー面でレンタルサーバーに情報を置くことに抵抗があるって本当ですか?
少し前の共有レンタルサーバーでは、他ユーザから内容を覗かれるのではないかという不安も 少なからず有りました。
共有サーバーでは、1人のセキュリティの甘いユーザからクラッキングされ、他のユーザが被害を受ける・・・なんてことも、絶対ないとは言えないでしょう。
サーバーに侵入されれば、なんでもできますからね。
ただ、マネージドサーバー、VPS、専用サーバーでは、そのようなことはありません。
VPS、専用サーバーに限って言えば、自宅サーバーや自社サーバーと同じで、
どれだけ、自分でセキュリティを意識してサーバーを構築できるか にかかっています。
ですから、セキュリティー面でレンタルサーバーに情報を置くことに抵抗があるって言うのは、
共有サーバー限定の話であれば、多少は納得できますが、
VPS、専用サーバーにおいては、意味があるとは思えません。
また、レンタルサーバーであれば、ハードウェアの障害やDDoS攻撃なども24時間体制で監視してくれます。
これは、共有サーバーでも専用サーバー、VPSでも同じように面倒をみてくれます。
果たして、そんな対応が自宅サーバー、自社サーバーでできますか?
自前で管理するには、やはり限界があります。
そう考えれば、レンタルサーバーの管理下にある方が、自前で管理、運営するよりセキュアなのかもしれません。
中途半端な自宅サーバー/自社サーバーより、よっぽど、共有レンタルサーバーの方がセキュリティ面では安全なのかもしれません。
最後に、もう一度、立ち止まって考えてみましょう
ここまで、読まれた方なら、それなりに、自宅サーバー/自社サーバー以上のレンタルサーバーのメリットがご理解いただけたのではないでしょうか。
また、そこまで、自宅サーバー/自社サーバーにこだわる理由もないような感じがしませんか?
サーバーのセッティングを自分でやってみたいという方は、格安のVPSで十分のような気もします。
さくらのVPSやお名前.com VPS(KVM)なら、
月額1,000円以下で利用できますし、すでにインターネットに接続できていますし、固定IPもついていますし、電気代もかかりません。
さらにOSも好きなOSを選べますし、レンタルサーバーと自宅サーバーどっちがお得?か考えてみた でも示しているように間違いなく安上がりなわけです。
どうしても内部サーバーと連動させたいという方には、
外向けのサーバーだけをレンタルして内部サーバーをダイナミックDNSを使って連動させることだって選択肢の一つかもしれません。
また、今では格安のVPS(例えば、ConoHa VPSなど)でローカルネットワークを組むこともできるような時代になりましたので、
あえて内部サーバーを必死に連動させることもないような気もしますね。
法人だからといって、自社サーバーや専用サーバーにこだわる必要性も、先の セキュリティー面での懸案はないはずです。
KVM,XENと利用したVPSなら、独自性の確保できて、本当の専用サーバーと同じように かなりセキュアな設定が行えますから、
中小企業でメール中心の運営なら格安VPSで十分に対応できます。
一昔前なら、レンタルサーバーの選択肢も少なく、VPSもなく、専用サーバーは異常に高かったので、自宅サーバー/自社サーバーを構築しても、それほどの差はありませんでした。
むしろ、自由度を考えれば、自宅サーバー/自社サーバーが良かった面もあります。
それが、格安のVPSや専用サーバーの価格が、非常に手ごろな価格になったので、その差が歴然としてきた感は否めないところでしょう。
個人的にも、昔は、自宅サーバーをたちあげていましたけど、電気料金、メンテナンス、サーバーの買い替えなどなど、かさむものが多く、結局は、VPSへ移行した経緯があります。
今、振り返ってみても、やっぱり、VPSがおすすめだと思います。
今回は、自宅サーバー/自社サーバーについて、本当に必要かを実行に移す前に考えた方が良い点をかいつまんで解説してみました。
本当に自宅サーバー/自社サーバーが必要な方もいらっしゃるでしょうが、ほとんどの場合 必要ないはずです。
「法人なら専用サーバーがセキュリティの面から必要です」なんていう業者さんやネットワークエンジニアさんなら、
ひょっとすると騙されているのかもしれません。用途にもよりますが、ほとんどの場合は格安の仮想専用サーバーで十分です。
もし、自宅サーバー/自社サーバーや専用サーバー、共有サーバーなどでお悩みであれば、一度、立ち止まってその必要性を再チェックされてはいかがでしょうか。
ここで紹介した格安VPS
さくらのVPS の詳しい情報は、http://vps.sakura.ad.jp/ へどうぞ。
お名前.com VPS(KVM) の詳しい情報は、http://www.onamae-server.com/vps/ へどうぞ。
ConoHa VPS の詳しい情報は、http://www.conoha.jp/ へどうぞ。
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