WordPressに特化した wpX と XServer（エックスサーバー）を比べてみた。

転送量、ディスク容量 および その価格からすると、

エックスサーバー X10 が、ダントツでコストパフォーマンスが良いことがわかります。

SSH、共有SSLなども使えて、機能が充実しているのがよくわかります。

機能だけ見ると、すごく充実している エックスサーバー X10 が、 価格面では、この中では、ほぼ、最安の月額料金ですから、興味深いです。

価格面では、初期設定費０円の wpX クラウドは、魅力的です。

ただ、先の表の マルチドメイン数、メール数から、wpX クラウド は、単純にWordpressのサイトを１つだけ構築できるサービスであることがわかります。 メールも使えませんし、マルチドメインも使えません。本当に１サイトのみを提供するだけです。

もちろん、SSH、共有SSLなどの機能もありません。CRONも使えません。 使えるのは、Wordpressのみと考えた方が良いと思えるぐらい WordPressのウェブサーバーに限定したサーバーです。

これらをよく考えると、
wpX クラウドというサーバーは、あくまで別にレンタルサーバーを借りていて、足りない分を補うサーバーという位置づけが正しいかと思います。

何度も言いますが、
メールもありませんし、シェルが使えるわけでもありません。マルチドメインで複数のサイトを立ち上げられるわけでもありません。

それらの点をよく考えて選択されることをおすすめします。

wpX クラウド とは 逆に、wpX レンタルサーバー は、10サイトまで構築できますし、メールも使えます。 通常のレンタルサーバーと同じように扱えます。

エックスサーバーとの違いは、Wordpressに特化している点です。

そのため、一部、エックスサーバーでは扱える機能である SSH、共有SSL、CRONなどの機能は、使えません。

まあ、一部の機能がない点を除けば、
通常のレンタルサーバーと同じ感覚で、WordPressに特化したレンタルサーバーという感覚で使えるレンタルサーバーだろうと思います。

wpX では、リバースプロキシを立てています。
リバースプロキシは、いわゆる逆プロキシサーバーで、ウェブサーバー(Apache)の前に動作し、 このリバースプロキシサーバーで管理しているキャッシュファイルに要求されたページがあれば、 そのキャッシュファイルを応答として返信します。

つまり、キャッシュが存在すれば、ウェブサーバー(Apache)へ処理は渡らずに負荷を下げることができます。 さらには、キャッシュファイルを読み込んでそのまま返信しますから、レスポンス（応答）時間もかなり短縮されるという仕組みです。

もちろん、キャッシュファイルに保存されるためには、最低でも1回は、そのページをウェブサーバー(Apache)で出力される必要はあります。 そのため、キャッシュが存在しない場合（つまり初期動作）は、若干、もたつくことがあります。

XServer（エックスサーバー）には、先のようなリバースプロキシサーバーなどはありません。
ウェブサーバー(Apache)が前面に出て、要求を処理します。

PHPのキャッシュ機能に関しては、wpX でもXServer（エックスサーバー）でも対応されていて、高速化が図られています。

Wordpressの場合、どうしてもMySQL , PHP を駆使して ページを動的に作成しますから、 サーバーの負荷は高くなり、レスポンスも遅くなりがちです。

特に共有レンタルサーバーで、みんながWordpressを使いだすと、かなり重たくなります。

それを回避するための効果的な手段が、リバースプロキシサーバーによるキャッシュです。

つまり、wpXの速さの仕組みが、このリバースプロキシサーバーによるキャッシュですから、単純に考えれば、
１回目のアクセス（キャッシュされる前）は、それなりのレスポンス速度です。むしろ、XServer（エックスサーバー）でWordpressを動かすよりも遅いかもしれません。
但し、キャッシュされたページを表示する際は、単純にHTMLを直書きしたのと同じですから、Wordpressを使っている感覚でなく、HTML直書きしたページを読み込むくらいの感覚に近いでしょう。

もし、Wordpressで作成する（した）サイトのアクセスが、10,000 PV/日 を超えるか、それ前後くらいのアクセスがあるのなら、一度、wpX レンタルサーバーを試されると良いと思います。

そこまで行かない せいぜい 1,000 PV/日 程度なら、通常のレンタルサーバーでも十分対応できるでしょう。もちろん、ここで紹介している XServer（エックスサーバー） でも楽に対応できる範囲ではないでしょうか。

実は、先の リバースプロキシ は、サーバーの知識、構築する時間さえあれば、格安のVPSを使って 構築することもできます。
10,000 PV/日ぐらいなら、サーバーのセッティングをうまくやれば、 さくらのVPS 、 お名前.com VPS、 ConoHa VPS の一番安いプランで十分に対応できます。これだと、月額1,000円のみでできてしまいます。

" nginx リバースプロキシ " でググってみるといっぱい出てきます。
それをうまく設定できれば、同じことができます。

実は、このサイトもリバースプロキシを使っています。

ただ、これは、あくまで、サーバーの知識、構築する時間がある方、好きな方が対象です。サーバーのメンテナンスは、 やっぱり、それなりに時間がとられてしまうので、その点は、十分、考慮してサーバーの選択をされることをおすすめします。

先のように wpX と同じことは、
先のように格安のVPSなどで、セッティングができれば、もっと安くできてしまいます。
コストだけと重視すれば、そちらの選択肢もあります。

しかし、やっぱり、サーバーの知識やセッティング、メンテナンスの時間がない方には、一つの選択肢だと思います。

wpXを選択する上でも wpXクラウドは、要注意です。

wpXクラウドは、ウェブにだけスポットをあてたサーバーなので、 うまいこと複数のレンタルサーバーを使分けできる方には、安上がりに使うことができます。

しかし、通常のレンタルサーバーと同じようなつもりで借りると失敗するでしょう。

なにせ、メールすら使えないですし、マルチドメインも使えないサーバーです。CRONなども使えません。Wordpressだけです。しかも１サイトのみです。

そう考えると、他にレンタルサーバーを借りて、なおかつ、アクセスが多いサイトだけを wpXクラウド へ移行させる・・・ような使い方なのだと思います。

上記の表からも、初期設定０円で安いと思って、wpXクラウドへ引っ越ししようと簡単には考えないことです。
wpXクラウドを借りる場合は、別のベースとなるサーバーがあって、一部をwpXクラウドで・・・というのが、失敗しない使い方だと思います。

wpXレンタルサーバーは、逆に、メール機能もマルチドメインもありますから、通常のレンタルーサーバーがWordpressに特化したイメージでOKだと思います。

まあ、Wordpressの遅いレスポンスでお悩みの方には、一つの選択肢であることは間違いないと思います。