DigitalOcean と さくらのVPS でサーバーのパフォーマンスを計測してみた
DigitalOcean と さくらのVPS のパフォーマンス一覧表
今回は、借りてみたのは、ついでにローカル接続の試したかったので、対応しているデータセンターの NewYork2 です。
(ローカル接続に対応しているのは、NewYork2 、Amsterdam2 のみです。)
アメリカ東海岸なので、レスポンスはかなり遅いです。
下記のパフォーマンスは、全く応答レスポンスとは関係ないサーバー自信のパフォーマンスです。
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DigitalOcean と さくらのVPS のパフォーマンス一覧表
プラン |
さくらのVPS SSD 2G | さくらのクラウド SSD 2G | DigitalOcean 512(旧) | DigitalOcean 512(新) | DigitalOcean 1GB(新) | DigitalOcean 2GB(新) |
CPUコア数 | 3 (2500MHz) | 2 (2500MHz) | 1 (2000MHz) | 1 (2300MHz) | 1 (2300MHz) | 2 (2300MHz) |
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メモリ(GB) | 2 | 2 | 0.512 | 0.512 | 1 | 2 |
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SSD容量(GB) | 50 | 20 | 20 | 20 | 30 | 40 |
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初期設定費(円) | 2,160 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
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月額(円) | 1,706 | 3,672 | 500 | 500 | 1,000 | 2,000 |
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IOPS ランダムリード | 10,986 [ 10,000 ] | 6,000 [ 6,000 ] | 6,379 | 35,359 | 49,226 | 43,320 |
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IOPS ランダムライト | 10,985 [ 10,000 ] | 1,497 [ - ] | 1,220 | 6,029 | 9,852 | 10,264 |
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レイテンシ ランダムリード(ms) | 1 [ 0 ] | 4 [ 0 ] | 5,010 | 902 | 648 | 736 |
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レイテンシ ランダムライト(ms) | 2 [ 0 ] | 1 [ - ] | 26,215 | 5,309 | 3,245 | 3,115 |
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UNIX Bench | 2,108 [ - ] | 1,432 [ - ] | 470 | 1,013 | 1,153 | 1,616 |
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[]内数値は、さくらインターネット で公開されているデータです。
(詳しい DigitalOcean のサーバーパフォーマンスに関しては、DigitalOcean のサーバーパフォーマンスを再検証してみた(詳細計測結果) を参照してください。)
UnixBenchを比較してみた
UnixBenchは、CPUのパフォーマンス、メモリ、ディスクなど総合的なサーバーとしてのパフォーマンスを推し量る数値です。
主にCPUのパフォーマンスの影響が大きいです。
UnixBenchの数値は、大きければパフォーマンスが良いことになります。
古いサーバーの場合、
DigitalOcean数値は、さくらのVPS の1コアの半分程度のパフォーマンスです。
この値は、ServersMan@VPS の最安プラン 512MB と、ほぼ同じくらいです。
新しいサーバーの場合、
DigitalOcean数値は、さくらのVPS とほぼ同値です。
[追記]
追加検証したところ、以前のパフォーマンスが悪かったのは、サーバーが古かったようです。
サーバーの古い、新しいは、CPU情報をダンプすると確認できます。
# 古いサーバーの場合
$ cat /proc/cpuinfo
processor : 0
vendor_id : GenuineIntel
cpu family : 6
model : 2
model name : QEMU Virtual CPU version 1.0
stepping : 3
cpu MHz : 1999.999
cache size : 4096 KB
fpu : yes
fpu_exception : yes
cpuid level : 4
wp : yes
flags : fpu de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 syscall nx lm up rep_good unfair_spinlock pni vmx cx16 popcnt hypervisor lahf_lm
bogomips : 3999.99
clflush size : 64
cache_alignment : 64
address sizes : 40 bits physical, 48 bits virtual
power management:
# 新しいサーバーの場合
$ cat /proc/cpuinfo
processor : 0
vendor_id : GenuineIntel
cpu family : 6
model : 2
model name : QEMU Virtual CPU version 1.0
stepping : 3
cpu MHz : 2299.998
cache size : 4096 KB
fpu : yes
fpu_exception : yes
cpuid level : 4
wp : yes
flags : fpu de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 syscall nx lm up rep_good unfair_spinlock pni vmx cx16 popcnt hypervisor lahf_lm
bogomips : 4599.99
clflush size : 64
cache_alignment : 64
address sizes : 40 bits physical, 48 bits virtual
power management:
|
前者と後者でのパフォーマンスは、倍くらい違うので、必ず、チェックした方が良いです。
ディスクパフォーマンスを比較してみた
また、iops、レイテンシは、ディスクパフォーマンスを推し量る数値です。
ここで計測したディスクは全てSSDです。計測条件は、全て同じで fio コマンドによる計測です。
iopsは、値が大きいほどディスクパフォーマンスが良いことになります。
また、レイテンシは、読み込み・書き込み要求からのレスポンス時間(秒数)ですから、値が小さいほどディスクパフォーマンスが良いことになります。
古いサーバーの場合、
DigitalOcean数値は、さくらのクラウドのそれとよく似ています。
書き込みは、さくらのクラウドよりも劣るかなぁというところですね。
新しいサーバーの場合、
DigitalOcean数値は、さくらのVPS と同等か、それ以上です。
DigitalOcean でローカル接続してみた
DigitalOcean でもローカル接続できます。サーバーを作成する際に、以下のようにローカル接続を有効にして作成するだけです。
上記のようにローカル接続を有効にして作成したサーバーを起動すると、eth1 が見えます。
$ ifconfig
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 0C:01:0C:5A:70:01
inet addr:162.243.52.111 Bcast:162.243.52.255 Mask:255.255.255.0
inet6 addr: fe80::e01:cff:fe5a:7001/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:50620 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:13206 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:72565400 (69.2 MiB) TX bytes:1067367 (1.0 MiB)
eth1 Link encap:Ethernet HWaddr 0C:01:0C:5A:70:02
inet addr:10.128.40.167 Bcast:10.128.255.255 Mask:255.255.0.0
inet6 addr: fe80::e01:cff:fe5a:7002/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:75 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:64 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:5922 (5.7 KiB) TX bytes:5192 (5.0 KiB)
lo Link encap:Local Loopback
inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0
inet6 addr: ::1/128 Scope:Host
UP LOOPBACK RUNNING MTU:16436 Metric:1
RX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:0
RX bytes:0 (0.0 b) TX bytes:0 (0.0 b)
|
このローカル接続 (eth1 : 10.128.40.167 ) は、自動的にローカルIPアドレスまで振られます。この状態で、ローカル接続されているので、このまま利用することができます。
$ ping 10.128.40.166
PING 10.128.40.166 (10.128.40.166) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 10.128.40.166: icmp_seq=1 ttl=64 time=1.75 ms
64 bytes from 10.128.40.166: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.497 ms
64 bytes from 10.128.40.166: icmp_seq=3 ttl=64 time=0.416 ms
64 bytes from 10.128.40.166: icmp_seq=4 ttl=64 time=0.538 ms
64 bytes from 10.128.40.166: icmp_seq=5 ttl=64 time=0.558 ms
64 bytes from 10.128.40.166: icmp_seq=6 ttl=64 time=0.441 ms
^C
--- 10.128.40.166 ping statistics ---
6 packets transmitted, 6 received, 0% packet loss, time 5961ms
rtt min/avg/max/mdev = 0.416/0.700/1.755/0.475 ms
$ ping 10.128.40.165
PING 10.128.40.165 (10.128.40.165) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 10.128.40.165: icmp_seq=1 ttl=64 time=1.99 ms
64 bytes from 10.128.40.165: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.542 ms
64 bytes from 10.128.40.165: icmp_seq=3 ttl=64 time=0.483 ms
64 bytes from 10.128.40.165: icmp_seq=4 ttl=64 time=0.530 ms
64 bytes from 10.128.40.165: icmp_seq=5 ttl=64 time=0.501 ms
64 bytes from 10.128.40.165: icmp_seq=6 ttl=64 time=0.519 ms
^C
--- 10.128.40.165 ping statistics ---
6 packets transmitted, 6 received, 0% packet loss, time 5661ms
rtt min/avg/max/mdev = 0.483/0.761/1.994/0.552 ms
|
上記のようにお隣さんのローカルIPアドレスへpingを発行すると、当たり前のようにちゃんと返ってきます。
すごく単純にできます。逆に、ユーザ毎にセグメント分けもしないので心配にもなります。(ユーザ毎にセグメント分けてると無駄が多くなるからだろうとは思いますが・・・)
(さくらのVPS でローカル接続(無料)を使ってみた で紹介したように さくらのVPS と比べてあっさりしすぎて・・ちょっと、驚きました。)
どうでしょうか。
もちろん、これがすべてではありません。海外のサイトでは、これよりも良いデータが出ている場合もあるようですから、古いサーバーは、間違いなく当たったサーバーが悪かったのでしょうね。
ただ、事実として、これぐらいのパフォーマンスのサーバーが実在するということだけは間違いないでしょう。
先にも書いたように
CPU情報から、新しいサーバーか古いサーバーの判断がつくので、必ず、確認しましょう。
また、DigitalOceanは、インストール直後の状態では、SWAPなしの状態ですから、本当にKVM?なんて疑いたくなりますが、ちゃんとSWAPファイル追加でSWAPが使えるようになりますのでご心配なく。
さらに、DigitalOcean には、
さくらのクラウドと同じように
DigitalOcean API が提供されていて、スクリプトなどから自動的にサーバーを作ったり、起動・停止したりすることができます。
この点からすると、Amazon EC2やさくらのクラウドのように、いわゆる Auto Scaring も可能な点でしょう。(Amazon EC2のようにシームレスなスケーリングができるのか?ちょっと調べきれていないので、わかりません。すみません。。)
単一のサーバーとしてのパフォーマンスでは、さくらのクラウドはもちろん、(新しいサーバーの場合)さくらのVPS以上となると、これは使わない手はないかもしれませんね。
ただ、今、使える新しいサーバーは、ニューヨーク、オランダでしたので、日本だけをターゲットにした場合は、ちょっと、レスポンスが遅いかもしれません。
バックアップなども考えられますし、使い方によっては、かなり使い勝手があると思いました。
古いサーバーは、止めておいた方が良いです。パフォーマンスが悪すぎです。
古いサーバーだけを調べて、題名を決めてしまい投稿してしまったので、この記事のタイトルが・・・・記事の内容とかなり食い違ってしましました。期待された方には、申し訳ありません。
DigitalOcean を試してみたい方は、https://www.digitalocean.com/ からどうぞ。お試し期間はありませんが、日払いできます。
さくらのVPS を試してみたい方は、http://vps.sakura.ad.jp/ からどうぞ。お試し期間は、14日間あります。
2013年12月12日, 4:21 PM
比較するならスペックや価格帯を合わせるべきだと思います。
スペックばらばらで比較していったい何の比較になるのでしょうか
2013年12月13日, 2:26 PM
たろうさん
コメントありがとうございます、管理人です。
わかりやすいようにスペック情報と月額を表に追記しておきました。
おっしゃるとおり、同じスペックは難しいので、同じ価格帯ぐらいのもので比較した方がわかりやすいかもしれませんね。
一応、スペック的には、さくらのクラウドに近いですかね。
さくらのVPSを基準に考えますと、同じ価格帯となると $20/month の 2 core / 2GB / 40GB(SSD) ぐらいでしょうか。時間を見計らって調べておきますね。調べてたら追記しておきます。
[追記]
3つのプランについて、再測定してみました。
以前のサーバーは古かったみたいです。今回のサーバーは、新しくさくらのVPSとほぼ同じかそれ以上のようで、かなり期待が持てます。
色々確認してみるものだなぁとつくづく感じました。たろうさんのコメントで、少しはましな記事になったかなぁと思います。どうもありがとうございました。