さくらのVPS 1Gプラン のサーバーパフォーマンスを検証してみた(SSDプランとの比較もしてみました)
DigitalOcean のサーバーパフォーマンスを再検証してみた(詳細計測結果) では、DigitalOcean のサーバーパフォーマンスについて検証してみました。
今回は、 さくらのVPS のサーバーのパフォーマンスについて同じように詳細を検証してみます。
さくらのVPS は、最安プランの 1Gメモリプランです。
ついでに、
以前に検証したことのある さくらのVPS の SSDプラン (当時、メモリ1GBでしたが、現在は 2GB増量で価格はそのままのプラン) のパフォーマンスと比較してみました。
このSSDプランは、最安プランの 1Gメモリプラン(以降、HDプランと称す)とディスク以外同じ (CPU : 仮想2コア、メモリ : 当時1GB(現在は2GB)) なので、
上図のように、少なくともディスクパフォーマンスだけは間違いなく良いはずなので、そのSSDプランの良さを確認するのにちょうど良いと思います。
では、早速、簡単ではありますが解説してみます。
SSDプランに関しては、1年ほど前にさくらのVPSからSSDプランがリリースされた当初に計測したものです。
最新情報ではないことに注意してください。最新では、おそらく、もう少し良いのではと思います。
また、当初の測定結果ですので、測定回数が今回の
HDプランの測定回数と異なります。
その点でも、同じ条件下ではないので、比較が難しいですが、あくまで、ご参考程度にみていただければ幸いです。
今回使用した さくらのVPS 各プラン の CPU情報は、以下のように出力されました。
$ cat /proc/cpuinfo
processor : 0
vendor_id : GenuineIntel
cpu family : 6
model : 42
model name : Intel Xeon E312xx (Sandy Bridge)
stepping : 1
cpu MHz : 2499.806
cache size : 4096 KB
physical id : 0
siblings : 2
core id : 0
cpu cores : 1
apicid : 0
initial apicid : 0
fpu : yes
fpu_exception : yes
cpuid level : 13
wp : yes
flags : fpu vme de pse tsc msr pae mce cx8 apic mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 ss ht syscall nx lm constant_tsc unfair_spinlock pni pclmulqdq ssse3 cx16 sse4_1 sse4_2 x2apic popcnt aes xsave avx hypervisor lahf_lm xsaveopt
bogomips : 4999.61
clflush size : 64
cache_alignment : 64
address sizes : 46 bits physical, 48 bits virtual
power management:
... 同じものがもう一つ出力されます。
$ cat /proc/cpuinfo
processor : 0
vendor_id : GenuineIntel
cpu family : 6
model : 42
model name : Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2640
stepping : 1
cpu MHz : 2499.998
cache size : 4096 KB
physical id : 0
siblings : 2
core id : 0
cpu cores : 1
apicid : 0
initial apicid : 0
fpu : yes
fpu_exception : yes
cpuid level : 13
wp : yes
flags : fpu de pse tsc msr pae mce cx8 apic mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 ht syscall nx lm constant_tsc arch_perfmon unfair_spinlock pni pclmulqdq ssse3 cx16 sse4_1 sse4_2 x2apic popcnt aes xsave avx hypervisor xsaveopt
bogomips : 4999.99
clflush size : 64
cache_alignment : 64
address sizes : 46 bits physical, 48 bits virtual
power management:
... 同じものがもう一つ出力されます。
|
また、測定を実施したOSは、CentOS 6 x64 版を 使用しました。
ほとんど同じスペックのCPUだろうことはわかりますが、実際のCPUは、間違いなく異なるものです。そのため、以降の計測結果は、微妙に異なります。
さくらのVPS 1Gプラン のサーバーパフォーマンス
UnixBench 計測結果
SSDプランは5回、HDプランは、10回実施しています。
本来なら、SSDプランも10回しっかりとやらないといけないのですが、1年程前のSSDプランがリリースされた当初に実施したもので、
現在は、メモリ 2GB へアップされていて 1GBメモリのSSDプランがないので、再検証できていません。
以下は、その統計値とグラフです。
UnixBench
プラン |
最小値 |
最大値 |
平均値 |
中央値 |
さくらのVPS 1G(1) | 898 | 942 | 927 | 930 |
---|
さくらのVPS 1G(2) | 1,828 | 1,993 | 1,899 | 1,877 |
---|
さくらのVPS SSD(1) | 1,032 | 1,032 | 1,032 | 1,032 |
---|
さくらのVPS SSD(2) | 2,108 | 2,152 | 2,143 | 2,152 |
---|
UnixBenchは、CPUのパフォーマンス、メモリ、ディスクなど総合的なサーバーとしてのパフォーマンスを推し量る数値です。
主にCPUのパフォーマンスの影響が大きいです。
UnixBenchの数値は、大きければパフォーマンスが良いことになります。
上のグラフからすれば、SSDプランのパフォーマンスが若干良さそうです。これもSSDの恩恵なのかもしれませんね。
もっと詳細な情報を確認すれば、すぐにわかりますが、ファイル操作の数値は、SSDプランの方が良い結果が出ています。
File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks 1047004.6 KBps (30.0 s, 2 samples)
File Copy 256 bufsize 500 maxblocks 307089.8 KBps (30.0 s, 2 samples)
File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks 1867097.8 KBps (30.0 s, 2 samples)
File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks 727826.8 KBps (30.0 s, 2 samples)
File Copy 256 bufsize 500 maxblocks 213164.0 KBps (30.0 s, 2 samples)
File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks 893910.5 KBps (30.0 s, 2 samples)
|
確かに倍近いくらいの値が出ていますね。このあたりは、SSDのパフォーマンスなんでしょうね。
さくらのVPS 1Gプラン のディスクパフォーマンス
ランダムリード(読み込み) IOPS
SSDプランは2回しかやってません。
HDプランは、10回実施しています。また、時間をおいて、再測定 10回(グラフ点線)も実施していますので、合計20回の計測を行っています。
以下は、その統計値とグラフです。
ランダムリード IOPS
プラン |
最小値 |
最大値 |
平均値 |
中央値 |
さくらのVPS 1G(1) | 1,685 | 2,438 | 2,149 | 2,222 |
---|
さくらのVPS 1G(2) | 1,055 | 1,945 | 1,612 | 1,731 |
---|
さくらのVPS SSD(1) | 10,986 | 11,321 | 11,154 | 11,154 |
---|
計測条件は、全て同じで fio コマンドによる計測です。
iopsは、1秒間に読み込み・書き込みできる回数のことですから、値が大きいほどディスクパフォーマンスが良いことになります。
SSD プラン は、さくらインターネットで開示されているデータの 10,000 回を超えています。(測定回数が少ないので、安定的にこれぐらいのパフォーマンスが出ているかは、ちょっと信ぴょう性に欠けるかもしれませんが、まあ、実測データとして10,000 回を超えたデータが出力されたことは間違いありません。)
HDプランは、最新のサーバーとあって さくらインターネットで開示されているデータの 1,500 をほとんど上回っています。
ただ、悪い数値では、1,000ぐらいまで落ちますから、先の開示データ以下になることから、概ね、開示されているデータと同じくらいか、若干、上なのかなぁというところだと思います。
さくらインターネットで開示されているように SSDプランが 7倍 パフォーマンスが良いとまではいかないですが、概ね 5 倍程度の速さはあるようです。
ランダムリード(読み込み) レイテンシ
SSDプランは2回しかやってません。
HDプランは、10回実施しています。また、時間をおいて、再測定 10回(グラフ点線)も実施していますので、合計20回の計測を行っています。
以下は、その統計値とグラフです。
ランダムリード レイテンシ (usec)
プラン |
最小値 |
最大値 |
平均値 |
中央値 |
さくらのVPS 1G(1) | 13,121 | 18,984 | 15,114 | 14,397 |
---|
さくらのVPS 1G(2) | 16,444 | 30,307 | 20,752 | 18,477 |
---|
さくらのVPS SSD(1) | 2,824 | 2,910 | 2,867 | 2,867 |
---|
計測条件は、全て同じで fio コマンドによる計測です。
レイテンシは、読み込み・書き込み要求からのレスポンス時間(秒数)ですから、値が小さいほどディスクパフォーマンスが良いことになります。
SSD プラン は、さくらインターネットで開示されているデータの 0.26 ms からすると かなり遅く 2.8 ms ぐらいでした。
ここのレイテンシの値は、レイテンシの平均値をピックアップしていますから、常にこれくらいのパフォーマンスかどうかは、正確にはわかりません。
HDプランも、さくらインターネットで開示されているデータの 2.6 ms には、ほど遠い感じの結果で、13ms ~ 30ms と範囲も広いです。
さくらインターネットで開示されているように SSDプランが 24倍 パフォーマンスが良いとまではいかないですが、概ね 10 倍程度の速さはあるようです。
ランダムライト(書き込み) IOPS
SSDプランは2回しかやってません。
HDプランは、10回実施しています。また、時間をおいて、再測定 10回(グラフ点線)も実施していますので、合計20回の計測を行っています。
以下は、その統計値とグラフです。
ランダムライト IOPS
プラン |
最小値 |
最大値 |
平均値 |
中央値 |
さくらのVPS 1G(1) | 2,226 | 2,598 | 2,436 | 2,409 |
---|
さくらのVPS 1G(2) | 1,721 | 2,372 | 2,076 | 2,145 |
---|
さくらのVPS SSD(1) | 10,985 | 10,985 | 10,985 | 10,985 |
---|
計測条件は、全て同じで fio コマンドによる計測です。
iopsは、1秒間に読み込み・書き込みできる回数のことですから、値が大きいほどディスクパフォーマンスが良いことになります。
SSD プラン は、さくらインターネットで開示されているデータの 10,000 回を超えています。(測定回数が少ないので、安定的にこれぐらいのパフォーマンスが出ているかは、ちょっと信ぴょう性に欠けるかもしれませんが、まあ、実測データとして10,000 回を超えたデータが出力されたことは間違いありません。)
HDプランは、最新のサーバーとあって さくらインターネットで開示されているデータの 1,500 をほとんど上回っています。
悪い数値では、1,700ぐらいまで落ちていますが、先の開示データ以下になるようなことは、ここでの計測結果では得られませんでした。
そこからすれば、最新のさくらのVPSのサーバーもまんざら悪くないのかなぁとも思える結果のようです。
さくらインターネットで開示されているように SSDプランが 7倍 パフォーマンスが良いとまではいかないですが、概ね 5 倍程度の速さはあるようです。
ランダムライト(書き込み) レイテンシ
1Core/512MB[旧]プランは5回、
以外は、それぞれ 10回 レイテンシ を計測しました。
また、1Core/512MB[新]、2Core/2GB[新]については、再測定 10 回を追加で測定していますので、合計20回の計測を行っています。
以下は、その統計値とグラフです。
ランダムライト レイテンシ(usec)
プラン |
最小値 |
最大値 |
平均値 |
中央値 |
さくらのVPS 1G(1) | 12,313 | 14,362 | 13,165 | 13,281 |
---|
さくらのVPS 1G(2) | 13,483 | 18,589 | 15,560 | 14,914 |
---|
さくらのVPS SSD(1) | 2,911 | 2,911 | 2,911 | 2,911 |
---|
計測条件は、全て同じで fio コマンドによる計測です。
レイテンシは、読み込み・書き込み要求からのレスポンス時間(秒数)ですから、値が小さいほどディスクパフォーマンスが良いことになります。
SSD プラン は、さくらインターネットで開示されているデータの 0.12 ms からすると かなり遅く 2.9 ms ぐらいでした。
ここのレイテンシの値は、レイテンシの平均値をピックアップしていますから、常にこれくらいのパフォーマンスかどうかは、正確にはわかりません。
HDプランも、さくらインターネットで開示されているデータの 0.241 ms には、ほど遠い感じの結果で、12ms ~ 18ms と範囲も広いです。
さくらインターネットで開示されているように SSDプランが 24倍 パフォーマンスが良いとまではいかないですが、概ね 5 倍程度の速さはあるようです。
どうでしょうか。
さくらのVPS 1Gプラン (HDプラン) も まんざら悪くもないでしょ。
もちろん、SSDプランは良いに決まっていますが、1,780 円/月の価格にみあったものかどうかは、それぞれの考え方だとは思います。
スワップをいつも使っていて、パフォーマンスが落ちているような場合は、SSDプランも一つの選択肢かもしれません。
本来、スワップの場合は、素直にメモリアップを図るのが常識でしょうから、 1,480円/月の 2GBメモリ or 3,980円/月の 4GBメモリあたりを検討するのが順当です。
しかし、HD + メモリ 2GB の 1,480円/月 と SSD + メモリ 2GB の 1,780円/月 とを比較した場合、SSDにもかなり魅力があるは事実だと思います。
いずれにせよ、案外、さくらのVPS 1Gプラン (HDプラン) も良くなっていて、色々使えそうだなぁとおもいました。
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